CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】カールの降誕祭

2016-02-22 21:34:39 | 読書感想文とか読み物レビウー
カールの降誕祭  作:フェルディナント・フォン・シーラッハ

気づけば、さほどに好きでもないのに、
この作家さんの本を読み続けているなと気づいた
今回も、短編三つという小さな短編集でしたが
罪について考えさせられる、
裁判ものというか、犯罪についてクローズアップした
真っ黒なといっていいか、
ともかく、暗くて深い川の向こうの話といった
そういうものを読めたと思うのでありました

今回は、これまでの何を罪と呼ぶのかという、
根源的な問いかけよりは、
事実として、そんなことがあったといった風で、
犯人というか、罪を犯した人を見せるというか
描いた作品でありまして、
情状酌量なんて生易しいというか、
よく聞く杓子定規なそれではなく、
そういった背景について、考えさせられる
あるいは、それは自分であったかもしれないなんて
思わされたりするようなと
そういう気持ちになったのでありました

あかん、これでは、自分がサイコパスではないか

そんなわかった風なことを思ったりしたんですが
こんな茶化すこともはばかれるような、
いたって暗い、おどろおどろしい内容だったと
感じたのでありました
精神に訴えてくるというか、こういうパターンの人たちは
じっと見ていると、取り込まれるというか
やがて、自分もそう伝染してしまうと
自分の心弱さから、思い知らされるところでありまして
怖いから見たいというのに近い、
なんともいえぬ読書を強いられるのでありました
強いられるというか、読みたくなってしまうのだな

また、挿絵がとんでもなく暗いというか、
ちょっとどうかしている感じなのも
拍車をかけるというか、
いやぁ、つまされる、そういう気持ちになって
そっと、休みに読むものじゃないなんて
反省したけども、面白かったのでありました