CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ロマンシエ

2016-02-25 21:25:04 | 読書感想文とか読み物レビウー
ロマンシエ  作:原田 マハ

軽い感じのロマンス小説でありました
いや、ロマンスだったかな、なんだろう
コメディといってしまったほうがいいのか、
もしかすると、書きながら行き当たり場当たりだったんじゃないか
そう思ったりするような、なかなかとらえどころのないというか、
ふわふわ、軽やかな内容でありましたところ

美術のお話ということで、これはまた、
楽園のカンヴァス的な話かしらと思ったけども、
ずっと軽い感じで、美術をやる側が主体なんだけども、
美術薀蓄は、なかなかたくさん出てくるが
主眼はそこじゃなくて、ただただ色恋、
ほれた晴れたのお話でございました

まぁ、そこが少しシチュエーション的にけったいなところもありまして、
男が男にほれているというジェンダー的なそれが主軸で、
そこに、岡惚れしているような女だとか、
様々な個性的な人物たちが入り乱れて、
あーでもない、こーでもないと、
美術にまみれながら、どたばたするといった具合
相当に荒唐無稽な部分もあるんだけども
なんだかんだ、面白く読まされたと
そういうお話なのであります

舞台がパリで、パリに関する様々な薀蓄や、
主人公の破天荒な生き様とキャラクタが
ただただ、転がり続けるだけなんだけども
なんだか面白くて見ていたくなると、
そういうキャラ物っぽい小説なんだけど
成長していく過程みたいなのがステキで、
なんだろうか、美術に触れる喜びみたいなのが
特に見えないのに伝わってくるようで
こういう、好きなものを好きとしている姿
それを読ませるというのは、いいことだなと
好きな部類だと、改めて思い知らされるわけでありました
ステキだ

個人的には、色恋という部分よりも、
割とさらっと、いや、中核のひとつとして語られていた
自由に関する部分が、非常に共感できるというか
その解き放たれたかのような状態に、
後から気づくというのがすごくよいなと
なんだか、しみじみ感動したのでありました
そういう体験が減ってるなぁなどと
思ったりもするわけだ

と、まぁ、楽しく読めて、ほどよく面白くてと
満足の一冊でありましたとさ