CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】台湾生まれ日本語育ち

2016-02-15 21:20:21 | 読書感想文とか読み物レビウー
台湾生まれ日本語育ち  著:温又柔

若いといいますか、私と同じくらいの年齢の女性が書いた
まさに、タイトルのとおりの生い立ちから、
国とは、国語とは何かについて、
考えたことをまとめた、論文まではいかないまでも、
思いをつづった本でありました

台湾で生まれたものの、親の仕事によって
日本で育つというか、過ごす、いや、やっぱり育つことになった
その境遇から、言葉について思うところをつづっております
両親の言葉が、特にお母さんの言葉が、
中国語と台湾語と日本語のミックスで、
なかなか大変なんだけども、子供時分にはそういうもんだと思いつつ
大きくなるにつれて、その違和感というか、おかしなところが
恥ずかしいと思うようになったりと、
理解にあまりある内容であります
自分がそうだったらという、益体も無い書き方をしてしまうけども
子供時分だと、それをはらはらしてしまうだおろうなと
感じるわけでありました

そうでありながら、じゃぁ、自分は日本語をしゃべれるようになったけども、
母国語なんていう言葉を聴いて、それは何なのか、
日本語と答えようとすると、自分は日本人ではない、
このしっくりこない感じはなんだ、私は誰なんだ
的なことを、ねんねんと感じつつ、多感な年頃を過ごしたようで
そういった、アイデンティティの喪失と獲得みたいなところを
自分なりに問い詰めていく過程と
ロジックを書いているのでありました
これは、納得というのが正しい言葉なんでしょうが、
自分で、気持ちについて、やりくりするという
作業を見たようでもあり、ひとつ、感動ではないけども
共鳴めいた何かを覚えたのでありました
つきつめていくというのは、ステキなことであります

そんなわけでありますが、
同じように育った妹さんは、さほどにそういったことを気にしないらしく
これは人となりなんだろうなとも思ったり、
ちょっと考えすぎじゃないかしらとも感じたり
そんなことも覚えながら、ルーツを探っていくのを
のほほんと読んだのでありましたとさ