遅れて視聴したので感想も遅れてアップです。
私、この「スポットライト」、かなり好きな物語でした。
でも本当の事を言うと、本筋の部分が良く分かりません。
だけど「分からない」と書いてしまっては、この人はとうとう理解能力が衰えてしまったのだなと思われても心外なのですが(いつかはそうなると思うけれど、まだ平気じゃないかと勝手に思っている。)、お話全般には理解してあげる事が出来ないと言えばいいのでしょうか。
最後に亘も言いましたよね。
「分かりませんね。」って。
それを右京さんがもっともらしく、「彼にはそれしかなかった。」とぎゅっと押し込んで納得させると言うごり押し展開だったと思います。
「あなたたちにはチャンスをあげるわ。」って犯人は言ったけれど、なんのこっちゃない。利用してるだけじゃない。こんな言い方もあるのか。
犯人の言いなりになって、冤罪のお手伝いをする。それ、チャンスになるのか。
観客が、その武勇伝に萌えるのか。
こりゃあエンタの神様を軽んじてるなって私は思いましたよ。
最後の舞台の時も人々が笑っていたのは、コースケが真実をネタにしていたからではないのでしょうか。
それなのに、私、この話が好きだなと感じたのです。
それは役者さんの魅力にだったかもしれません。
「でんすけ」ー。
実際には、まったく笑えるネタをドラマの中で見る事は出来なかったのですが、そこはドラマなので凄く面白いのだと言う設定で良いと思います。
もともと私はお笑い好きではないので、笑いのツボが分からないのかも知れません。
でもドラマ好きなので、役者さんの良い所はダイレクトに目に飛び込んできますよ。
伝役の渋谷謙人さんは子役出身のほぼ芸歴20年の実力派だったのですね。
普通に淡々とドラマは進んでいきますが、けっして大きな演技をするわけでもないのに引き付けられました。
特に舞台で、思いもよらぬネタをコースケにしゃべられて、素の自分になって舞台に立ってしまった所と「でんすけ」の伝に戻って漫才を終わらせたところなんか、ちょっと好きなシーンでした。
伝は舞台の上でも、思わず素になってしまうのに、コースケはずっとコースケのままで、そしてみんなを笑わせ続けます。そこが才能の違いなのかも知れません。
コースケ役の駒木根隆介は一応のデブキャラ俳優さん。映画の「サイタマノラッパー」とか舞台の「下谷万年町物語」にも出ている方で、ずっときらきらした汗と言うか油と言うか、とにかくずっときらきらしていた姿に、お笑いにおいての才能みたいなものに説得力がありました。
花のない伝。
最後に彼は、コースケをみんなに見せたくて自分もお笑いの道に入ったのかもしれないなと言います。
「でんすけ」にはファンが一人。
でも一番のコースケのファンは伝。
コースケの足を引っ張る自分の引き際とその理由を探していたと言う伝。
だけどコースケは借金をし続けるのだと言うのです。そしてまとめて返す、1000万。二人でM1を取ろうと伝と夢を追い続ける事を示唆します。
「僕はどうなりますか。」
「犯人隠避と言う罪に問われます。」
「すみません。それ日本語で言ってください。」
そこ、ちょっと笑った。
この二人の夢は、きっとその罪を償ってから。そしてその時に本当のチャンスが訪れると、私は思いました。
「相棒」の感想らしからぬ雰囲気になってしまいましたね。
でも犯罪の部分だけでは語れない今回の「相棒」だったと思います。