なんだか一つ前の「シュレーディンガーの猫」と言うタイトルの記事を書いたら、「相棒」の感想を書く気が失せていましたが、ふと気が付くと、なんだかんだとシーズン14も17話になっていたのですね。例年通りでしたら、後2話で終わりですよ。
このシーズン14は、寝ぼけた頭で見続けて文句ばかり言っていたように思いますが、何気に感想が今までの所オヤスミしてないんです。そう思うと皆勤賞を目指して頑張ろうかなって思ったりもしますよね。
今回の「物理学者と猫」を見て、私は「さすが『相棒』だな。」と思いました。
だてに14年も続いていないのですよね。これだけ続いているから、このような自由な作品にチャレンジできると言うものですよ。
これは刑事ドラマの姿を借りたSFでありヒューマンドラマであり、そして黒猫がらみのちょいオカルトですよ。
しかもですよ、長年の「相棒」ファンにとっては、今シーズンが面白いか否かが問題であっても、世間的には視聴率がどうのこうのとうるさい今にこのチャレンジですよ。
「さすがだな。」って思わないわけにはいかないでしょう。
実験中の女性の殺人の謎解きがされて、准教授・堀井が
「誰が一体そんな事を。」と言い、右京が
「それはあなたですよ。」と言った時、
私が思うにはテレビ前で、思わず時計を見た方の確率は80パーセント以上であったのではないでしょうか。
吃驚しました。
えっ、もう、ここで犯人が分かってしまったわけ!?
後の45分はどないすんねん。
って、思いましたよ。
― だけど、それは堀井の妄想の世界か・・・・・
右京が指を鳴らし、違う世界から呼び戻された堀井は違う可能性の世界に。
敬愛していた物理学者の成田知子の夫を殺す世界。
又は返り討ちに遭ってまさに自分が死んでいく世界。
堀井の意識はパラレルワールドの時間の旅を繰り返すー。
だけどいずれにしても、それは知子が居ない世界の絶望から救われるものではなかったのですね。
返り討ちに遭った堀井を助けようと救急車を呼ぼうとする右京を留め、
復讐を果たしても果たさなくても彼女は居ない救いのない絶望を語る堀井に胸が痛くなり、グッときました。
その絶望の世界では、復讐よりも救急車は間に合わずに彼が消えてしまう事が一番の正解にさえ思えてしまったのでした。
だけれど、そこで再び右京の指が「パチン」となります。
私、このお話、凄くすごく好きです。
優しいし、暖かい。
ただ細かい事が気になるのは右京ばかりではないのですよね。
「パチン」と指がなって巻き戻されるのなら、戻る場所がみな違うのはなぜなのかとちょっとだけ思ってしまったのでした。
「パチン」なんだから、やっぱりあそこからじゃなくちゃダメだろうって拘ってしまったりしたけれど、ドラマ的にすっきりと綺麗にまとまったんだから、まっいいか~って・・・^^
「RT」 、ツイッター民が「リツイート」だってワイワイ言っていましたが、私も「拡散」って事かなって、即思ってしまったのでした。近頃、何を語っていいのか分からなくなって、すっかりツイッター離れをしている私ですが(昔と比べてね。)、それでもそんな風に思ってしまうとは、見慣れたものへの反応と言うのは恐ろしい事ですね。
でもその文字から成田の死の真相を突き止めた右京。
真実は時には残酷です。でもその真実と向き合う事によって、絶望しかなかった堀井に数式を完成させると言う新しい世界が開けたのでした。
再生の道を歩きだした事を見届けたかのように、いなくなってしまった黒猫。
やっぱり猫は堀井を見守っていた知子の化身だったのでしょうか。
ちょいオカルトと言うより、ファンタジーのようでしたね。
「この黒猫はいつからいるんですか。」って質問は右京らしくないような気もするのですが、何気に右京は自覚がないだけでオカルト体質であることは、シーズン11の「BIRTHDAY」で証明済みですね。(あれ、感想を書いてなかった(/_;)
なにげに「パチン」が頭の中に居座ってしまいました。
暗示にかかりやすいので、催眠術とかの番組は見ないようにしていたのですが、ドラマなので油断しました。
「パチン」と指がなるシーンを思い出してしまったら、最善の世界を私は生きているのだと信じる事にしようと思います。
※ 遅れて書いたので視聴率が出ていました。 14.1でした。