絵画展・美術館に行った記事を続けて書いてきましたが、やっと追いついたと言う感じです。
5月4日の日に「東京都美術館」にて公開中の「バベルの塔」展に行って参りました。
2007年の元日スペシャルの「 「相棒」-元日スペシャル・バベルの塔」を見た時に、「バベルの塔」に興味を持ちました。ちょうどその頃難解に感じたブラピの映画「バベル」も理解したかったものですから、調べてみたりしたのです。
それでその時に、プリューゲルの「バベルの塔」の絵画を知り、かなり心惹かれました。
そんな私が、本物の絵を観る事が出来ると言うのなら、出掛けて行くと言うのも当然の事でしょう。
今回はボスの「放浪者」と「聖クリストフォロス」の二作品も公開です。
その説明展示も詳しくて面白かったです。
画像はナシです。HPのボスの説明のページでお確かめください。→こちら
「聖クリストフェロス」を説明もナシでパッと見た時に、遠近法はどうなっているのかと思ってしまいました。そこに描かれていたのは巨人だったのですね。しかし本当に細かい。誰かが双眼鏡をと言っていたような気がしますが、本当にあった方が本当に良かったかもしれないと思いました。
細かいと言えばプリューゲルの版画も絵も、本当に細かいです。
バベルの塔の絵の中におよそ1400人の人が描かれているそうです。
下の絵葉書は「うげぇ、気持ちが悪い。」と思いながらも、その気持ち悪さに魅かれて買い求めてしまったものです。「大きな魚は小さな魚を食う」と言うのは、生きて世界の現実ですよね。だけどその現実をまざまざと見せつけられる事って、残酷であり恐怖でもあるような気がします。
そして「銭の戦争」…じゃなかった・・・「金銭の戦い」です。なんか「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木っぽいと思ったのだけれど、一緒に行った息子たちからの賛同は得られませんでした。
「ソドムとゴモラの滅亡のある風景」です。これも全く大きさ的には大作ではないのです。でもその小さな世界の、遠い街の滅亡していく恐怖が迫ってくるように描かれているのでした。
私はどうもクリスチャンではないので、このソドムとゴモラの神の怒りをかった滅亡の物語と、この「バベルの塔」の物語がある一点で混同してしまいがちになるのでした。つまり己の分を弁えず神の領域に挑戦し、やはり怒りをかった物語と言う風に。そして更には神の手によって崩壊してしまったと。
この解釈は、私のみではなく意外と一般的にそう思われているような気がします。
でもこの事は、前に調べた時に脳内訂正をしたはずだったのですが、またもその考えに戻っていたように思います。だから私は思ってしまいました。
「なぜ神の怒りをかったのだろうか。」と。
なぜならこの塔の建設に携わっている人たちは、みなイキイキと喜びながらこの仕事に関わっている様にしか見えなかったからなのです。粉まみれになりながら、または重い滑車を回しながら・・・・。
下の画像は、美術館内カフェのコラボメニューの「ベルギーワッフルのバベルの塔盛り」です。
こんなものを頂きながら、私はやはり同じ疑問をラッタさんに(息子です。)投げかけてみました。
すると彼曰く。
「アリが『お慕いしています。』とか言いながらも、地上から三階まで『そこにたどり着きます。』とアリ塚をせっせと高く築き上げてきたら、『やめなさいよ。』って、そのアリ塚をべちって壊したくなるってものじゃないか。」
ああ、確かにべちって壊したくなる。この話は正しい解釈に基づいたものではないけれども、私は妙に納得してしまいました。
正しい解釈については「バベルの塔の・・・」、
またその続きである「ばべる」もおまけにお読みになってくだされば幸いです。
その記事の中で、「あまり高く見えない。」などと書いてしまったのですが、こんなモノがありました。
作品数は多くはないかもしれませんが、かなり工夫された展示で面白かったです。
今流行りの「キモ可愛い」と言うアレでしょうか。
入場前の列の所にはー。
以下は関連ある美術展です。
ブリューゲル家は画家の一族。その一族展が来年の予定に入っていますね。
息子が父の「バベルの塔」を模写していたりと言う記事は→「プラド美術館展」に行きました。」です。