「4月の東京散歩《品川からお台場まで歩く》」の記事の最終回で「風に吹かれて歩く」の続きです。
「散歩」と「小さな旅」とは、本質的には大差がなくても、やはり若干違うような気がします。
4月の「東京散歩」は、その最後には「小さな旅」という意識に変わっていました。
そんな風に私の意識を変えたのは、砂浜を歩き水の上をシーバスで走ったからでした。
その日の朝、私はその日のうちに海岸の砂浜を歩くなど思ってもいなかったのです。
たとえ泳げない海であっても、海自体には心惹かれるものがあるでしょう。でもその日に見るはずの海は、遠い沖合へと続く海だと思っていました。それをその岸辺を歩くなんて、なんだか嬉しい事だと感じたのです。
旅人のようにうつむいて石を探したり貝殻はないかと見まわしてみたけれど、この人工の砂浜には期待出来ないみたいです。
そして久しぶりの経験でしたので、砂浜を歩くのも大変でした。
その時、星子さんがモロッコに行った時の話をしてくれました。
― 砂漠を歩くのはもっと足が沈んで大変だったのよ。
そうかそうか。砂漠に比べたら、こんな砂浜、何でもないな。ふぅふぅ。
ーでも、登り切った時に見た、昇って来る朝日は本当に綺麗だったのよ。
だろうな。なんだか想像しちゃうな、素敵だな。ふぅふぅ。
そんな話をしているうちに砂浜から脱出できました。
昇って来る朝日は、もちろんありませんが
今の季節限定の美しさはあったかな。
そして私たちは砂浜の風景を堪能した後、そこからシーバスに乗って帰途に着いたのでした。
シーバスと乱暴に書いていますが、それは半券を見てちゃんと書くのを怠っているからです。
本当はちゃんと名前があるのです。(後で、ちゃんと書きなおすか忘れるかは気分次第です。)
お台場から浅草まで1時間もかかると聞いて、私は吃驚しました。
えっ、そんなに!?
でもかかりました。
だけどその水上の旅は、本当に楽しかったです。
海洋大学の船が見えたり
街並みの揺れる影を感じたり
テレビで紹介されていた所を見たり・・・・
ただ風景が綺麗だと惚れ惚れとしたり、単に桜の岸辺が綺麗だとカメラを向けたりしていたのです。
画像はありませんが、海側に体を向けている芭蕉先生の銅像も見ましたよ。
徐々に夕闇が迫る時間が近づいて来ていました。
浅草に着いても、駅まではまたちょっと歩かなくてはなりません。
そうして私たちは、また浅草の街の中を目で楽しみながら駅に着き、その日の旅を終わらせたのでした。