flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

関の孫六苑

2014-10-03 00:00:00 | 木のたてもの

(岐阜県関市池尻 2003年4月28日)
 この地には、長良川の風光明媚な立地を利用して開業した料理旅館(結婚式場・遊園地併設)の孫六苑があったが、平成2年に廃業してしまった。残されている建物には、大正11年(1922)織物業後藤恕作(じょさく)の長良川別荘として中国、秦の始皇帝の宮殿を模して造られたという阿房宮がある。昭和7年(1932)後藤毛織が倒産したため、別荘を市営長良川ホテルとして開業。進駐軍の接収を経て、同ホテルの別館として利用されていたが、昭和45年(1970)ホテルを近鉄に事業譲渡するのを機に、当地に移築、同苑の結婚式場となった。文化財指定レベルの建造物ながら、今は廃屋同然の有様となってしまっている。現役時代の昭和53年(1978)には、北側に離れ及び茶室も建てられた。廃業後、辺りは共同住宅や自然公園として再開発する計画があったが、その後は進展していないようである。 
  

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