flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

雨生山

2016-02-18 00:00:00 | かみのやしろ

(うぶさん 愛知県新城市中宇利字曽根川南 1999年12月30日)
 比丘尼城跡の南、静岡県三ヶ日町と境を成す標高314mの弓張山系雨生山は、かつて宇利鉱山があって、藍銅、輝銅、赤銅、孔雀石を採掘していた。また、異剥(いはく)石、橄欖(かんらん)岩、斑糲(はんれい)岩、蛇紋岩等も産出し、一部が露出している。山名の由来は二説あり、一つは光格天皇の頃(江戸時代後期)に日照りが続き、雨乞いをしても雨が降らなかった。そこで雨曳天神(前掲の天神宮)の宝物である二つの面を白山(しろやま 後の雨生山)の頂上に運び、浜名湖に向けて海神に祈ると大雨と共に大風が吹き、面の一つが舞い上がり浜名湖宇志海岸(三ヶ日町)に流れ着いた。宇志の村人はその面を祀って神社とし、後の宇志八幡宮になったという。このとき、白山を雨生山と呼ぶようになったとされる。もう一つは、子のなかった領主が夢のお告げで地区西方の吉祥山に祈って子が授かり、産湯はこの山の湧水を使ったため「産生山、うぶ山」と呼ぶようになったともいう。また旧名の白山は、中腹に白山神社を祀っていたからとされ、現在は麓の字曽根川南に下ろされて、旧社地は白山平と呼ばれている。
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