きょうという日 (室生犀星)
時計でも
十二時を打つときに
おしまいの鐘をよくきくと、
とても 大きく打つ、
きょうのおわかれにね、
きょうがもう帰って来ないために、
きょうが地球上の上にもうなくなり、
ほかの無くなった日にまぎれ込んで
なんでもない日になって行くからだ、
茫々何千年の歳月に連れ込まれるのだ、
きょうという日、
そんな日があったかしらと、
どんなにきょうが華やかな日であっても、
人びとはそう言ってわすれて行く、
きょうの去るのを停めることが出来ない、
きょう一日だけでも好く生きなければならない。
秒針が時を刻む音は部屋に響きますが、時計が鳴る音に耳を傾けたのはもうだいぶ昔の記憶です。ふと数え出していて十、十一、「ああ、もう十二時か…」と。
使い慣れた点訳用ソフトがこの新しいPCにインストールできたため、今日は入力の設定をし直し、指の動きを早く慣れさせたくて、ずいぶん長時間点字を打っていた。
点字は6点で打っていきますから、使用する6つのキーを決めます。
例えば、キーの[SDF LKJ]を使ったり。が、PCによって異なることがあり、旧のPCでは[ASD KJH]で基本の6点を設定して使ってきています。
「あ」はF(旧ではD)、「い」は FD(旧ではDS)、「う」は FJ(旧ではDH)のキーで。二つ以上は、FD同時に打ちます。六つのキーを同時に打つと「め」です。
今回、AがSにと、全体にわずか一つづつキーの位置が右へずれただけです。
ところが不思議と指がキーの上に落ち着かない。画面を見ているうちに、指は左へずれてしまって…。
十年近くたち、無意識のうちに自分の指・手首の角度や姿勢は決まってしまっているらしい。点訳開始に当たっては、好みの姿勢や角度で構えることを自覚していますから。
飲み物の自動販売機に点字が付いているのをご存知ですか?
今日もあと十分もすればお別れです。...そう、一生懸命の日でした... 。
時計でも
十二時を打つときに
おしまいの鐘をよくきくと、
とても 大きく打つ、
きょうのおわかれにね、
きょうがもう帰って来ないために、
きょうが地球上の上にもうなくなり、
ほかの無くなった日にまぎれ込んで
なんでもない日になって行くからだ、
茫々何千年の歳月に連れ込まれるのだ、
きょうという日、
そんな日があったかしらと、
どんなにきょうが華やかな日であっても、
人びとはそう言ってわすれて行く、
きょうの去るのを停めることが出来ない、
きょう一日だけでも好く生きなければならない。
秒針が時を刻む音は部屋に響きますが、時計が鳴る音に耳を傾けたのはもうだいぶ昔の記憶です。ふと数え出していて十、十一、「ああ、もう十二時か…」と。
使い慣れた点訳用ソフトがこの新しいPCにインストールできたため、今日は入力の設定をし直し、指の動きを早く慣れさせたくて、ずいぶん長時間点字を打っていた。
点字は6点で打っていきますから、使用する6つのキーを決めます。
例えば、キーの[SDF LKJ]を使ったり。が、PCによって異なることがあり、旧のPCでは[ASD KJH]で基本の6点を設定して使ってきています。
「あ」はF(旧ではD)、「い」は FD(旧ではDS)、「う」は FJ(旧ではDH)のキーで。二つ以上は、FD同時に打ちます。六つのキーを同時に打つと「め」です。
今回、AがSにと、全体にわずか一つづつキーの位置が右へずれただけです。
ところが不思議と指がキーの上に落ち着かない。画面を見ているうちに、指は左へずれてしまって…。
十年近くたち、無意識のうちに自分の指・手首の角度や姿勢は決まってしまっているらしい。点訳開始に当たっては、好みの姿勢や角度で構えることを自覚していますから。
飲み物の自動販売機に点字が付いているのをご存知ですか?
今日もあと十分もすればお別れです。...そう、一生懸命の日でした... 。