京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

ことばの魂

2008年09月25日 | 日々の暮らしの中で
お母さんとテーブル越しに向かい合い、見つめあい、かわいい笑顔を浮かべて、サンドイッチを食べる子。
おいしそうに小さな口を動かして…。
と、突然、厚めの卵焼きがポロンとテーブル下に落ちてしまったのです。

 「なにしてるの~!」
 「何で落とすの~!」
そんな声さえ聞こえそうな場面でもあります。

 「お母さんが悪かったね」
 「まー君が悪かった」
普通にやり取りし、そして、また二人で笑っています。

ことばに魂を感じるかのような二人の会話が、3歳2か月の子との間で成立しているのです。
言葉の力。
楽しいはずのお母さんとの食事の場面です。
かわいい心を傷つけたり、落胆させることもなく、“まー君”の限りなく柔らかな笑顔は相変わらず浮かんでいました。
温かな一瞬を共有しました。

二人が「あぁー」と声を上げたものですから、隣席にいる者に「すみません」の一言。
それをきっかけに少しおしゃべりができました。

口をもぐもぐさせながら私達を見ている“まー君”。
他人と言葉を交わしている母親の明るい開放感のある姿に、“まー君”はじっと目を向け共鳴しながら、きっと感性の一つとして彼の脳にインプットされ育つのでしょう。
楽しい食事の積み重なりとともに…。
「三つ子の魂…」なんとやらと言いますが、こうして人間性は育まれていくのだと感じます。

“まー君”の心が隣の席に向かって時々遊びに来てくれているようでした。
おかあさんのゆったりと構えた心の広さは、子どもの世界を大きく広く羽ばたかせるのと違うでしょうか。

こんな住宅街の一角に秋の実り  
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする