京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 「みんな一緒だから」

2011年03月17日 | 日々の暮らしの中で
             
連日春寒、雪がちらつく京の一日だったが、被災地一帯には凍えて声もなしだろう。
普段から暖房はこまめに調節しているが、覚悟も甘く長時間火の気のないつらさに耐えられずにいる。

母と二人、硬いシートに並んで座る夜汽車に揺られ、眠れぬまま宮城県の古川に向かった幼いころを記憶している。土地にも、祖父母・叔父の家族にも馴染みが薄く、帰りたくて半ベソをかいていたものだ。後年、一人で叔父を訪ね、松島湾の遊覧船に酔い、塩釜で笹かまぼこをどっさり抱えていたっけ。仙台市内を歩き回った。仙山線で山寺に行ったのもこの時だ。小さかった従姉妹にトンボを採った。その彼女が5歳と7歳児の母親になって震災に遭う…。

泥にまみれ、深刻な被害に襲われた近隣にあって、無事の確認が取れただけでも幸運だった。私自身にとっても少なくなった身内が暮らす東北の地。
「みんな一緒だから」 ある避難所で立ち動く女子高生のひと言が、すっと心に入ってきた。彼女の祖父母の行方はわからないのだと言う。

「頑張れ」などとはとても軽々しく言えない状況に、どんな言葉も力なく響く。だが、「前向きに」と口にされる被災者のためにも、現地で懸命な努力は続けられているのだ。
少しでも早く救援への道が整えられて、尊い多くの命が救われますように。 … がんばって!
コメント (6)
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