京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 変化の兆し

2011年03月26日 | 日々の暮らしの中で
みぞれが降り出したと思うと大きな雪に変わり、ひとしきり吹雪くと、まぶしいほどの春の陽ざしに包まれる。降ったり晴れたりと変わりやすい、いろんなお天気の一日でした。

尼講さんたちが昼から三々五々お集まり、井戸端会議で話題はなんなのでしょう。
ストーブを囲んで背を丸め、お菓子とお茶でほっこり過ごしておられました。まさかボランティアの相談でもないでしょうが…。

               
幹という幹もない古木に、やけに今年は花が咲きました。何もかもを見続けている愛着を感じる一本の木です。仏性?仏心あり?

清が終りを告げ中華民国が成立していく二十世紀初頭の詩人、王国維と魯迅の詩でもって、八年間続いたNHKラジオの「漢詩をよむ 漢詩が来た道」が今夜で完結でした。講師の宇野直人氏の穏やかな口調が好きでした。
日本を、京都も訪れたことのあった王国維と魯迅。   
清王朝の崩れを予感、八方ふさがりの境遇に、これからは下界(家庭外)の移ろいに決して心を乱されまい、と魯迅は心境を読んでいましたが…。

季節も時代、人の世も心も移り変わる。どんなに栄華を極めたとてもだ。それなら、「どん底」のようなと思えてもきっとそうだろう。留まっていることはない。よどみの中にもいつかまた変化の兆しが見えるはず、とうなづけます。

もうこれで最後にと、終了直前まで思っていました。が、いともたやすく心変わり。
次回からは「日本の漢詩」と題して道真から漱石まで…という案内に誘われてしまいました。

コメント (6)
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