京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 朽ち葉を踏んで

2011年12月21日 | 日々の暮らしの中で

久しぶりに来てみて随分と明るくて気持がよくなっていると感じたのだったが、それも枝から葉が落ちたせいだった。
地面に散り積もった落ち葉はすっかり色落ちして、腐ったような汚い色合いで絨毯になっていた。吹き寄せられまるめられ、踏みしだかれて…。カサカサした音が楽しいのか、子犬がわざわざ道端の枯れ葉の山の上を駆けて行く。

外出の帰りだったが、寝床へかえるとて三つ四つ…どころではない鳴き声を耳にしながら夕暮れ迫る道を少し歩いた。どこに目を遣っても花一つない。な~んにもなさそでしっかりあるのが季節限定のこの「冬枯れ」の森。

     木も草もためらはずして枯れゆけり     相生垣瓜人

こんな朽葉色も、平安人には心にしみじみと感じられる「あはれ」の美であったようだ。

帰宅してほどなく、Jessieからの電話だった。「もしもし…」の挨拶もどこへやら、「Tylerがな、今な・・・してpush、pushしてるの!」「ふ~ん、プッシュプッシュしてるの!?」「Tylerがな」
大きな声で喋りまくるせいか、説明してくれているらしいTylerの様子の半分も聞き取れない。適当に驚いた声をあげておいたが、それでも気持が明るくなる。う~ん、やっぱかわいいよなあ~、日本へ招こうか~???

枯れ葉の「あはれ」より、訳わからん会話でも、元気に笑顔のほうがどれだけよいか。かわいいお姉ちゃんをしているのだろう。今日はプールへ行ってきたと話していた。
コメント (4)
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