京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 「高野街道」に一歩を

2013年03月08日 | 高野街道ウォーク

「伊勢へ七たび熊野へ三たび、愛宕さんへは月詣り」
京ではこんな俗謡が歌われていたという。ここに空海が開いた一大聖地・高野山への高野詣では含まれていない。

空海は45歳の時に高野山に禅院を開き、50歳では京に密教の根本道場として東寺を開いている。およそ1200年前のこと、標高850mの山上に拓いた修禅の道場・高野山と東寺との間を、空海自身が何度か往復していた道があることだろうに、これまで私は無関心だったと気付いた。

京からは石清水八幡宮を起点にして生駒山系の西を南北に貫き河内長野に続く「東高野街道」がある。―このあとはネットで拝見― 京や大阪からのルートはいくつかあって、4つの「高野街道」が合流後は1本化されて紀見峠へ向かい、橋本から、清水、学文路(かむろ)を通り女人堂に至る「不動坂口道」が賑わったと説明されている。このコースを8回に分けて、真言宗総本山の「金剛峯寺」を目指すウォークに参加してみることにした。

夏に向けて少々の思惑のある今年、仏教に関した本に触れ出してもいた時で、突然目の前に示されたこの案内には正直小躍りしそうな勢いだった。チャンスが舞い込んだ!と心底思った。が、なんと数日で一気に熱が冷めたのもまた事実だった。10日ほど考えたが参加を決め、すでに明日の準備もし終えている。

「仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ、心うく覚えて、ある時思ひ立(ち)て、たゞひとり、徒歩(かち)よりまうでけり。」(『徒然草』52段)
ところが、この法師は麓にあった付属の極楽寺や、そこに隣り合った付属の社に参拝しただけで、これだけと思って帰ってしまう。山上までは登らなかったのだ。兼好さんは言います。「すこしのことにも、先達はあらまほしき事なり」と。熊野古道ウォークの時と違って語り部さんの案内が得られない物足りなさは解消されるのだろうか…。

明日、石清水八幡宮からスタートです。元気に?目覚めたら、集合場所に向かいます。

コメント (8)
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