京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 主役は新緑に

2013年04月27日 | こんなところ訪ねて
3月15日、伏見区鳥羽の地にある城南宮で、枝垂れ梅を霊妙なとも言えそうな世界で堪能したものだった。繊細で華麗な美しさだったと記憶している。


あれからひと月と10日も過ぎて、すっかり新緑の世界に変わっていた。
伊集院静氏が「大人の男の気骨に相通じる気がする」と言われた椿の葉のあの強靭そうな一枚一枚が輝くようだった。


昨日から春の文化財特別公開が始まったが、ここでも、孝明天皇が攘夷祈願の際に立ち寄られてちょうど150年になることを記念して、初公開の絵図を中心に、幕末の歴史を物語る所蔵品が展示されているようだ。鳥羽の戦いの火ぶたが切って落とされた地、その轟音と白煙を機に、伏見でも砲火をまじえ鳥羽伏見の戦いが始まっていく…。
拝見してみたいと思ったが、友人たちとの行動だったこともあって「ひとり800円だって」と言う声を聞きながら前を軽くスルーしてしまうことになる。

フジの花を見に行こうと言うのが約束だったのだが、市営地下鉄構内に貼られたポスターを見て気持ちが動いた一人としては大いなる期待外れで終わった。池の端に小さな藤棚だったが、楽水苑のツツジも山吹も、今ここでは主役の新緑に彩りを添えているに過ぎない。


広大な敷地の一角が解放され、驚くほどの規模で藤棚が続く鳥羽浄水場だった。城南宮から徒歩で20分ほどだったか。

爽やかな日本庭園の彩りを目の保養にした友人たちとの小旅行だが、すっと終わった感じの一日に…。
コメント (10)
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