京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 春を惜しむ

2013年04月25日 | 日々の暮らしの中で

若い頃から短歌を詠まれ、同人集や私歌集を出されたことがおありだったというUさんの母親が詐欺にあったという話を耳にしました。

遠方のUさんのふるさとでひとり暮らしをされていたお母さんでしたが、認知症がまだらに発症するようになったために各戸が独立したタイプのホームに入居されていたそうです。ホーム入り口で訪問者氏名等の確認すらなく、結果的には出入り自由だというのに防犯カメラの設置もない。セキュリティシステムが確保されたホームではなさそうです。通常は介護者の目も届かないのですから、どんな大事になってしまったのか話しの先に予想すらついて、ただうなるだけです…。

電話によって振り込みを促すだけでは済まず、入居しているホームまでやってくるのだとか。「税務署」の名をかたる人間にその場で何度か現金を手渡しているというから驚きです。領収書1枚ないということです。「電話でおかあさんが何か変なことを言ってきた」とUさんの妹が感じたことが気付くきっかけとなったといいます。お母さんには前回の記憶が失われるということもあったようで言われるままに繰り返し繰り返し、結果、とても言えない額に膨らんでしまっているとのこと…。

様々な問題点を感じながら聞いていましたが、青天の霹靂、ある日突然! Out of the blue. と言うようです。ひとごとではありません。
少しでも良い形で解決が図れるといいのですが、果たして…。お気のどくなことです。10数回にも及ぶ前に、誰かに相談するということがどうしてできなかったのでしょうか。

 
        (こちら、盛夏はとうに過ぎて遠浅の浜で遊ぶJessieとTyler)

昨日の雨はすっかりあがって朝から晴天。カーディガンを持ちながら、七分袖で外歩きが可能でした。
京都盆地の西側をとり囲む山並みが霞みながら幾重にも見てとれました。
     山々はどこへも行かず春惜しむ    岡田日郎

あれほど桜の開花を待ち焦がれたものの春はつかの間、行く春を惜しみながら初夏を迎えるゴールデンウィーク前。特別な予定はありませんが、自由に使える日はそれなりに工夫して何かをしています。せねばならないことがあるかないかだけで、実際何もしないで過ごす日はありません。
コメント (10)
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