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ダンプカーがしきりに往来する道でした。ガードレール脇の草むらに濃いオレンジ色のヤブカンゾウの花が咲いていました。八重咲きで、あっぱれなビタミンカラーは炎天に負けていません。活力の彩りです。
この花を身につけると憂さを忘れると言い伝えられて、「忘れ草」の別名があるようです。恋の苦しみから逃れられない思いを「忘れ草」に託して、古来詠まれてきているようです。庭一面に咲かせでもしたら、忘れることは物思いだけには留まらないのでしょうか。
夕刻には萎れるという花。これらのつぼみが咲ききるまでに憂さを失くせるのならよいですが、せめて花の精を閉じ込めておける袋はないものかしら。
猛暑続きの東京にいて、体調はいかがなものかと案じる母親からのメールを気付かないはずがないでしょうに…。二度目にして、最短の2日後、息子から「ごめーん! 返事できなくて。」と始まる返信がありました。もっとも、6月23日からは半月以上経過。メールでさえも言葉を交わす機会が多くもてません。世の親の一人としても、いろいろな憂い?はありますものです。
庭にひと株、ふた株…、時にはこの元気な色を眺めれば、内なるエネルギーも高められるやもしれないと思うのです。