京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

ファッション

2021年02月14日 | 日々の暮らしの中で
佐伯一麦氏の『散歩歳時記』のページを繰っていた。
氏が仕事に倦んだとき、庭の樹木の芽吹きの様子を毎日のように観察していた時のことが書かれている(「若葉紅葉」)。
山桜は…。楓も…。公孫樹が…。と、定点観測で変化を感心しながらあれこれ思う。そして、こうあった。
「胡桃の芽吹きはもっとも遅く、枝先にくりくりっとした若葉をつける。それは天然パーマの赤ん坊の髪の毛を想わせた」。

何度か読んでいたが、今だからこの一節に目が留まったのだろう。
仙台とこの地方では季節的なずれ、芽吹きの時期にずれは生じるだろうが、このクルミの若葉の出を見逃さないように、こまめに通ってみるか。とりあえず今一度と、クルミの冬芽を確かめてきた。



桜は前年の夏には花の芽を作るという。その桜並木を歩いていて、こんな冬芽の木をみつけたのだが、桜にまじっていたとは、はて何の木だったか。




ドウダンツツジは早くから針のような芽をつける。ハクモクレンも花が終わって、気づく時にはふわっとした毛で包まれた芽をつけている。かなり早い時期からずっとこの状態だ。寒い冬を乗り切るためにまとう毛皮?

 


それぞれに独自のファッションで命を継いでいくんだな。なんてことを、柄にもなく思ってみた。
コメント (2)
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