京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

つぼみから香る

2021年02月22日 | 日々の暮らしの中で
ご近所さんに見事な白梅のしだれ梅があって、まあるくふくらんだたくさんの蕾がつく中で3輪、4輪とほころんでいる。開花はそれだけなのに、足を止めてほんの少しばかり見上げていたらマスクを通してでも馥郁とした香りに包まれ、まさに梅は匂いだと思ったものだ。
「梅はつぼみから香る。才あればにおい立つ」ってどこかで目にして、なるほどね!! そうそう!と納得でした。

 

御池通に面した京都市役所の西、寺町通を北に上がったところに「藤原定家京極邸址」の碑が東向きに建っている。
軒近くに植えられたという梅が『徒然草』に登場する。

「家にありたき木は、松・さくら。」と始まる第百三十九段(岩波古典文学大系)で、
「梅は白き、うす紅梅。ひとへなるが疾く咲きたるも、かさなりたる紅梅の匂ひめでたきも、みなをかし。…『ひとへなるが、まづ咲きて散りたるは、心疾く、をかし』とて、京極入道中納言は、なほ一重梅をなん軒ちかく植ゑられたりける。京極の屋の南向きに、今も二本侍るめり。」

などとある。けれど今は梅も屋敷もない。 


ここからまだもう少し北の進々堂で友人と待ち合わせた昨日。
3月早々には文章仲間の例会が開催される見通しとなり、会誌発行につき作品提出が求められている。この1年、例会中止が重なり合評を得る機会が減った。やはりちょっと意見が聞きたくて何度か友人にそれを頼んだのだった。その受け取りとお礼もかねて…。
やはり相手を選ぶ話題でもあり、会うっていいなあと思えた数時間だった。ぐっと気持ちもアップして、なんとかなりそうかな。
コメント (2)
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