京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

ランドセルは通路だけど

2023年07月06日 | 日々の暮らしの中で
書店の通路にランドセルがあおむけに放り出されていた。そばには青色の水筒が置いてある。

下校時、通学路にある小川のふちに、二つ、三つのランドセルが置いてあるのは見かけるが、店内というのは初見で思わずふふふと笑いが漏れる。
「ごめんなさーい」とやってきて背負うと、本棚へ突進。趣味の本のコーナーだった。

オーストラリアへの帰国を控え、日本での小学校生活最後となった2021年6月1日。孫のTylerは、最後のものを残すだけになった部屋に、こうしてちょんと、しかも逆さまに置いて、やっぱり遊びに飛び出して行った。


この1枚を思い出させてくれた少年が手にした本のカバーには、メダカの写真が見えた。

本に見入っては顔をあげてお母さんと言葉を交わし、満足そうでした。
買うのかな? ためつすがめつの段階かな? 
どんな本でも、連れてくる情報がある。
邪魔しないで、辛抱強く待ってあげたい。
立ち読みをいさめる店内アナウンスなんて流さないでほしい。

そんなことを思いながら、私は先日来見つけておいた『等伯』を買って帰った。

ランドセルを放り出してまで書棚に走った少年が、なんだかとてもかわいらしく思えました。

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