さて、七月は何を喰ったらいいだろう。
― と私が思ったわけではなく、水上勉さんは何を喰ったんだろうと『土を喰う日々』の七月の章を開いてみると、冒頭からこう書き出されていたというわけ。
氏の場合は畑との相談で料理が決まる。
素材は茄子、夏大根、みょうが、それに山椒やとうがらしなど。
「朝飯をうまく楽しむため」に山椒の実と葉を一緒に煮つけたり、秋がくる前に早く食べたくて、やはり実と葉とでとうがらしを甘辛煮にもしている。
夏大根を葉ももろともよく刻んで塩をふりかけて重しの下に。「朝これをよくしぼって、醤油をかけて喰っている」。
夏場にやって来るアルバイトの女子大生二人に、「夏の台所になくてはならぬものは、こまめにつくる一夜漬けだ」ということにしても、
大根の塩漬けぐらいでは料理の中へ入らぬらしく、分厚い料理本を開いて、しきりと頭を悩ませているふう。
「本に書いてあることより、一夜漬けをつけたまえ。そこに滋味が生じる」と水上さん。
けど二人は、ふふふふと笑っていると書いてある。
35度を超える猛暑日に逃げ場もなくて、今日は初めてエアコンをつけた。
夏場は白飯を食す量が落ちる。若い頃は今以上に一年を通してもお米を食べなかったので、義母が「食べろ食べろ」と口うるさく、内心こっそりムカッ腹を立てるという食事時でもあった。
残っていた白菜に人参、きゅうり、みょうがにショウガを刻んだ一夜漬けをいただいたところ。酢を加える法を教えてもらい、レモン酢で試したりもしている。
「一夜漬けをきらって、どうして夏の料理の門が入れよう」
料理には五味(甘、鹹(かん)、酸、苦、渋)にもうひと味、「後味」、つまり「たべたあとまたたべたくなるあと味」の六味がそろってこそ完全だと、中村幸平氏の『日本料理の奥義』からの引用がなされていた。なあるほどね。
人の体は食べたもんで出来ている。働く体を作るのは、たまに食べるご馳走じゃなく、毎日食べるおまんまが、白い飯と汁とちょっとのおかずが大事なんだよ、とは『一膳めし屋丸九』さんでの言葉だったかな。
きっと義母のように長生きできますな。
5/18に出した船便が届いたと、きのう娘から連絡があった。『一膳めし屋・・』は海を渡って娘のもとに。
― と私が思ったわけではなく、水上勉さんは何を喰ったんだろうと『土を喰う日々』の七月の章を開いてみると、冒頭からこう書き出されていたというわけ。
氏の場合は畑との相談で料理が決まる。
素材は茄子、夏大根、みょうが、それに山椒やとうがらしなど。
「朝飯をうまく楽しむため」に山椒の実と葉を一緒に煮つけたり、秋がくる前に早く食べたくて、やはり実と葉とでとうがらしを甘辛煮にもしている。
夏大根を葉ももろともよく刻んで塩をふりかけて重しの下に。「朝これをよくしぼって、醤油をかけて喰っている」。
夏場にやって来るアルバイトの女子大生二人に、「夏の台所になくてはならぬものは、こまめにつくる一夜漬けだ」ということにしても、
大根の塩漬けぐらいでは料理の中へ入らぬらしく、分厚い料理本を開いて、しきりと頭を悩ませているふう。
「本に書いてあることより、一夜漬けをつけたまえ。そこに滋味が生じる」と水上さん。
けど二人は、ふふふふと笑っていると書いてある。
35度を超える猛暑日に逃げ場もなくて、今日は初めてエアコンをつけた。
夏場は白飯を食す量が落ちる。若い頃は今以上に一年を通してもお米を食べなかったので、義母が「食べろ食べろ」と口うるさく、内心こっそりムカッ腹を立てるという食事時でもあった。
残っていた白菜に人参、きゅうり、みょうがにショウガを刻んだ一夜漬けをいただいたところ。酢を加える法を教えてもらい、レモン酢で試したりもしている。
「一夜漬けをきらって、どうして夏の料理の門が入れよう」
料理には五味(甘、鹹(かん)、酸、苦、渋)にもうひと味、「後味」、つまり「たべたあとまたたべたくなるあと味」の六味がそろってこそ完全だと、中村幸平氏の『日本料理の奥義』からの引用がなされていた。なあるほどね。
人の体は食べたもんで出来ている。働く体を作るのは、たまに食べるご馳走じゃなく、毎日食べるおまんまが、白い飯と汁とちょっとのおかずが大事なんだよ、とは『一膳めし屋丸九』さんでの言葉だったかな。
きっと義母のように長生きできますな。
5/18に出した船便が届いたと、きのう娘から連絡があった。『一膳めし屋・・』は海を渡って娘のもとに。
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