ちょっと足を延ばして、先日は思いがけなく葛の花と出会った。
クサギの花も、いつしか“青い真珠”と呼ばれるまでになる実を結び出していた。
あざやかで、深い色味の青い実は、草木染の染料となる。
実を集めてみようとしたとき、小さな蟻がいっぱいたかっていて腕を伝って上がってくるのに震えが来て、やめてしまったことがある。
芝木好子の『群青の湖』の主人公は染色を仕事としていたし、また佐伯一麦氏の小説でも、お連れ合いが草木染めをされるということで、数々の場面に反映されている。
描かれるのは、幻かというような一瞬の色の変身。掛け合わせて生まれる色のマジック。
人と人との出会いも、時に面白いものを生み出す。
一冊の文庫本を3人で分担して点訳に当たってきたが、校正までを終えた。
親しく長いお付き合いをいただくが、普段は全く異なる日常を送っているので、こういう機会でなければ揃って顔を会わせることが少ない。
昔はフロッピーディスクにデータを納めて受け渡しした話に、時代だねぇと懐かしんだ。
今回、初めて時代小説の点訳の機会を持ったのも、年長者からの誘いがきっかけだった。二人の経験者の中に初心者として加わり、一歩踏み出せたかな。
どなただったか ー自分の価値観を強く揺さぶってみたり、思いがけない可能性を感じさせてくれる機会は、いつも会う人間からではなく、まれにしか会わない人間からしか得られない ものだ、とか。
梅、桜、カタクリ、キブシ、ヨモギ、小鮒草、桑の実、キハダ、枇杷、クルミ、セイタカアワダチソウ、ゲンノショウコ、赤いレンゲソウ…。
さまざまに、それぞれの風合いで存在し、取り合わせの妙味が相乗効果を生む。
烈しい夕立があった。境内の闇の中で、心なしか今夜の虫の音はか細い。
クサギの花も、いつしか“青い真珠”と呼ばれるまでになる実を結び出していた。
あざやかで、深い色味の青い実は、草木染の染料となる。
実を集めてみようとしたとき、小さな蟻がいっぱいたかっていて腕を伝って上がってくるのに震えが来て、やめてしまったことがある。
芝木好子の『群青の湖』の主人公は染色を仕事としていたし、また佐伯一麦氏の小説でも、お連れ合いが草木染めをされるということで、数々の場面に反映されている。
描かれるのは、幻かというような一瞬の色の変身。掛け合わせて生まれる色のマジック。
人と人との出会いも、時に面白いものを生み出す。
一冊の文庫本を3人で分担して点訳に当たってきたが、校正までを終えた。
親しく長いお付き合いをいただくが、普段は全く異なる日常を送っているので、こういう機会でなければ揃って顔を会わせることが少ない。
昔はフロッピーディスクにデータを納めて受け渡しした話に、時代だねぇと懐かしんだ。
今回、初めて時代小説の点訳の機会を持ったのも、年長者からの誘いがきっかけだった。二人の経験者の中に初心者として加わり、一歩踏み出せたかな。
どなただったか ー自分の価値観を強く揺さぶってみたり、思いがけない可能性を感じさせてくれる機会は、いつも会う人間からではなく、まれにしか会わない人間からしか得られない ものだ、とか。
梅、桜、カタクリ、キブシ、ヨモギ、小鮒草、桑の実、キハダ、枇杷、クルミ、セイタカアワダチソウ、ゲンノショウコ、赤いレンゲソウ…。
さまざまに、それぞれの風合いで存在し、取り合わせの妙味が相乗効果を生む。
烈しい夕立があった。境内の闇の中で、心なしか今夜の虫の音はか細い。
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