京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

蛙の月見

2023年08月29日 | 日々の暮らしの中で
二匹棲みついているうちの片割れで、いつもなら水遣りが始まると二手に跳んで身を隠す。
よほど水が恋しかったのか如雨露からの水を気持ちよさそうに浴びていた。


雌雄の判別などつくはずもないが、茶ガマと茶子。見た目がちょっと…だけど、見慣れてみればかわいいやつよ。

蛙といえば思い浮かぶのが、草野心平の詩.

 「秋の夜の会話」
   さむいね
   ああ さむいね
   虫がないているね
   ああ 虫がないているね
   もうすぐ土の中だね
   土の中はいやだね
   痩せたね
   君もずいぶん痩せたね
   どこがこんなに切ないんだろうね
   腹だろうね
   腹とったら死ぬだろうね
   死にたくはないね
   さむいね
   ああ 虫がないてるね

晩秋のある日。寒さと飢えにじっと耐える蛙の会話に託して、現実の生活の厳しさを言っている。


「あついねえ」
夜になってもまだ暑い。虫が鳴いているよ。
まだしばらく地上での日々が続きそうだね。

今夜は雑木林の上に、黄色く丸い大きなお月さんが上がってきた。見上げてごらんよ。
庭は真っ暗だけど、今どこにいる。

眺めてござるか? 


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
池でも Reiさん (kei)
2023-08-31 13:16:11
毎年のように見られる、4センチほどの蛙です。
餌に十分ありつけているのかどうか、意外と細いようです。
田んぼに行けばぴょんぴょん跳ねるアマガエル、
賀茂川上流では河鹿の声も聞こえます。
お住まいが都会だからでしょうか。

高校3年生と小学校1年生ですから大人と子供ですね。
ありがとうございます。
返信する
かえる (Rei)
2023-08-31 10:45:30
滴したたる葉っぱ、かえる君嬉しそうですね。
もう何年もかえるに出会っていません。
近くの池にぐわっぐわっと鳴く食用ガエルらしい
声を聞きましたが、
今はそれも聞かなくなりました。
私の周辺に自然がなくなったということでしょうか。

久しぶりに三姉弟の写真拝見、びっくりしました
大きくなられて驚きました。
Jessieちゃんにはママ大助かりですね。
オーストラリアの大地ですくすくと成長なさいますよう祈っています。
返信する
擬声語 いざよいさん (kei)
2023-08-30 11:13:37
こんにちは。

かつては梅雨時に蛙の大合唱がすぐそこに聞こえたものです。
我が家の義母はそれに負けないほどのおしゃべり好きでしたから、
「富久ガエルが鳴きだした」と陰でこっそり笑っていたものです。

詩風として擬声語、擬音語使いが印象深いです。
ことば以前?という感じ…で。
八月の満月の満潮時に4人以上で唱えよ、というものがありますね。
個々に暗唱のテストなどありましたが、群読のよい詩もあるのですね。
「河童」つながりで龍之介作品に跳ばれてらっしゃるのですね(笑)
返信する
蛙に託して なおともさん   (kei)
2023-08-30 10:54:36
こんにちは。

個性的な詩風ですよね。
昔々、中学生たちとも読みました。

枯れることはないだろうと水遣りをさぼってましたので、嬉しかったのでしょう~。
「ぐるるん」とでも、ひと声鳴いてくれたら私も嬉しかったのですが(笑)
返信する
おはようございます (いざよい)
2023-08-30 09:05:11
keiさん、おはようございます。

カエルはあまり好きではなかったのですが、最近になって可愛いなと思うようになりました。
草野心平の詩はいいですね。
擬声語をつかった詩も多くありますね。
この詩も、何度も読んでいるうちに身に沁み込んできます。

先ほどから、芥川龍之介の「河童」を思い出して仕方がないのです。
何故なんでしょうね。
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Unknown (naotomo3451)
2023-08-29 21:56:39
こんばんは!
草野心平のこの詩、大好きです。久しぶりにゆっくり鑑賞出来ました。有り難うございました!なおとも
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