京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

田辺聖子さん

2019年06月10日 | 日々の暮らしの中で

作家・田辺聖子さんが6日、91歳で亡くなられた。
どうされてるかなとふと思うことがあった。久木綾子さんのことも、もう一冊読ませていただきたいなあと思いながら近況を知りたく思うこの頃だった。

  六月
「私は、つゆどきの人間の感性のしめりが好きである」と書かれた。
な~んかたまらないなあ、この表現。…と思うのだ。「大人の情感の世界」。

「愛して、愛されて、楽しんで」、「アア、楽しかった!」と去られたのでしょう。


2014年10月に田辺聖子文学館を訪れ、同行の友人から多くのことを教わった。読むといいと言われた小説はいまだ読んでいないが、あれから田辺さんの文章論、古典や、小説、詩歌、作家などを語る何冊かを拝読した。そして「夢見力」という言葉をいただいた。
何度か挑戦し、少し好きになった『ほっこりぽくぽく上方散歩』。『ふわふわ玉人生 楽老抄Ⅲ』など大好きな一冊だが、田辺さんご自身がふわふわと、やさしくかわいいお方。これからも時には作品でお会いしたいと思う。

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4 コメント

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いろいろなことを思い起こさせていただけて、蜩の森さん (kei)
2019-06-15 11:15:11
純真な目で見つめた少女の短い、わずかなことば。千鳥への想像が働きました。
年月が磨いた聖子さんが紡ぐことばに、教えられ、前を向く力にもしました。
どちらにも、ことばの奥に味わえるものが…。

蜩の森さんがおっしゃってくださった言葉を、そうか、なるほど、そうだなあ…と受け止めながら、
あらためて考えさせられました。
素敵なコメントをありがとうございます。

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人の心を打つ…… (蜩の森)
2019-06-14 20:17:58
わずか7年という短い生涯の中で、多くの人の胸を打つ純真な心の詩を残した田中千鳥さん。
こちらは91歳という生涯を通して、こちらも多くの人の心を捉えた作家の田辺聖子さん。
この世に在った生命の長さには大きな違いがありますが、人々の心を打ったり、安らぎを与える、その人の持ち味とは、本当に不思議な気持ちです。
短きがゆえに尊し。しかし、長年第一線で活躍し続ける難しさも痛いほど身に沁みたり。
いろんなことを思い起こさせてくれる、お二人の人生でしたね。二日続きの素敵なブログにエールを!!
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「大阪人」、伊豆の花さん (kei)
2019-06-12 16:27:05
こんにちは。

こんな人生あるかもしれないなあと思ったり、疑似体験しながら読めるのが小説ですね。
娘が読み置いていったものを何度も途中下車しながらでして、
読み終えた小説は数えるほどしかありません。
大阪弁をどうにも受け付けなくって
ご本人はやさしくふんわりと語られますね。
他地域の言葉は想像しながらでも味わうのですが。
「大阪人の、率直さ面白さ」を知るにも何か読んでみようかなと…。
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人間いろいろだと・・・ (伊豆の花)
2019-06-12 09:58:12
こんにちわ

伊丹に住んで居た友達が、近くに聖子さんの家があると教えてくれてから、ご本人を知りもしないのに、何となく田辺聖子さんが近しくなりましたね。

以前に少し作品を読んだことがあります。
関東育ちにはちょっと異質に感じていた大阪人の、率直さ面白さを教えて貰い、人間いろいろを示された作家だったと思っています。
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