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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

日本の農業が危ない!? Part Ⅱ

2025-03-09 15:08:00 | 講演・講義・フォーラム等
 一月末にお聞きした東京大学大学院特任教授の鈴木宣弘氏のお話を再び聴いた。鈴木氏のお話はけっしてプロパガンダではなく、日本の農業、そして農業政策の事実を紹介してくれていると私は信じているのだが…。

 一月末にお聴きした鈴木氏のお話は非常に刺激的でした。
 その鈴木氏が再び札幌で講演すると知り、「もう一度氏の話を聴いてみたい」と思い、昨日(3月8日)午後、会場の北海道クリスチャンセンターに向かいました。
 開場前にクリスチャンセンターに着いたのですが、すでに長蛇の列ができていて、鈴木氏の高名がかなり浸透していることが窺えました。

 ところで会場に着いて、私は初めて主催が政治政党の「れいわ新選組」だということを知りました。チェック力の甘さです。それでこの催しは、「れいわ新選組」が「ごはん会議」と題して全国的に開催する一環であることも、この時知りました。

     
     ※ 北海道クリスチャンセンターで講演をする鈴木宣弘氏です。

 さて、鈴木氏のお話は基本的に1月末にお聴きした時と変わりはありませんでした。用意されていたパワーポイントも凡そは1月の時のようだったようです。演題は「残された時間は多くない~農と食といのちを守るために~」と題されての講演でした。
 鈴木氏の主張は、今回の講演に際して配布された「鈴木宣弘氏のメッセージ」に端的に表されていますので、それを紹介します。

 日本の食糧自給率は種や肥料の自給率の低さも考慮すると、38%どころか最悪10%あるかないか。海外からの物流が停止したら世界で最も餓死者が出るのが日本との試算もある。国際情勢は、お金を出せばいつでも食料が輸入できる時代の終わりを告げている。かたや、日本の農家の平均年齢は68.7歳。あと10年で日本の農業・農村の多くが崩壊しかねない。しかも農家は生産コスト高による赤字に苦しみ、廃業が加速している。これでは不測の事態に子ども達の命は守れない。私たちに残された時間は多くない。
 (中略)
 私達が子ども達の未来を守るには、消費者の行動が重要である。安いものにはわけがある。リスクのある輸入品ではなく、今こそ身近な地元の安全・安心な農産物を支えよう。
 地域の種を守り、生産から消費まで「運命共同体」として地域循環的に農と食を支える「ローカル自給圏」の構築を全戸各地で急がねばならない。一つの核は学校給食の安全・安心な地場産農産物の公共調達を進めることである。農家と市民が一体化して耕筰放棄地を皆で分担して耕そう。
 それと同時に、国政では、①食料安全保障のベースになる農地10haあたりの基礎支払いを行い、それを、②コスト上昇や価格下落による経営の悪化を是正する支払いで補完し、さらに、③増産したコメや乳製品の政府買い上げを行い、備蓄積み况子区内外の援助に回す、といった政策実現に向けて国民の総力を結集するときである。

        
         ※ 数多い鈴木氏の著書の中の近著です。

 鈴木氏のお話を2度聴いて、鈴木氏の日本の食糧に対する危機感が相当に強いものであることを実感しました。
 鈴木氏の論には「根拠が希薄である」とか「データの読み方に誤りがある」という反論もあるようですが、少なくとも鈴木氏が前半で述べている日本の農業の現状に対する指摘には納得できるところが多いように感じます。
 今や我が国の食糧の大半は外国産に頼っている現状だということが良く分かます。その外国産の食糧、またはその種、肥料までも大半が外国産だという現状に対して鈴木氏が危機感を露にすることももっともだと思われます。

 ‟日本の農業の危機” このことは単に農業者だけの問題ではなく、消費者も含めて日本全体の食糧危機でもあるという鈴木氏の指摘を重く受け止め考えねばならないと思いました。 


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