ポジティフ・オルガンの独特の音色が市民ギャラリーの空間に広がった。小さなパイプオルガンだが、多彩で繊細な音色が表現できるのが魅力の楽器のようだ。午後のひと時、ちょっと不思議な音色を楽しんだ。
本日午後、札幌市民ギャラリーにおいて「スプリング・コンサート ~ポジティフオルガンがつむぐ春の訪れ~」と題するコンサートが開催されたので参加した。
オルガン奏者は札幌市を中心に音楽活動を展開している吉村怜子さんである。
私にとって「ポジティフ・オルガン」は初耳だったので、ちょっと調べてみた。それによると、パイプオルガンには3種類のオルガンがあるという。一つは、音楽ホールや教会などに据え付けられている「大オルガン」、次に本日演奏してくれた「ポジティフ・オルガン」だが、大きさは昔小学校の教室にあったオルガンよりも一回り小さく、持ち運びも可能な大きさのもの。そして肩からかけたり、膝に置いたりして演奏するより小さな「ポルタティフ・オルガン」の3種があるそうだ。
私にとっては札幌音楽ホールKitaraにあるような「大オルガン」だと、パイプが太く長いだけに(もちろん短いパイプもあるのだが)印象としては、低音の大きな音がお腹に響いてくるといったものだった。
吉村さんも言っていたように、オルガンの場合はパイプに空気を送り込んで音を出すという仕組みは、ピアノなどと違い管楽器の音色に近いところがある、というのは納得するが「大オルガン」と「ポジティフ・オルガン」では違った楽器のようにも聴こえてきた。
※ 演奏後にカメラに収めさせてもらいました。オルガンの前方です。
本日演奏していただいた曲目は…
◆J.S.バッハ/平均律クラヴィーア曲集 第1巻より「第1番 前奏曲とフーガ ハ長調 BWV846」
◆ウウェーリンク/「いと高きところには神にのみ栄光あれ SwWV299」
◆ダカン/「カッコウ」 ケルル/「カッコウによるカプリッチョ」
◆ムッファト/「シャコンヌ ト長調」
◆モーツァルト/「自動オルガンのためのアンダンテ へ長調 K.616」
◆ヘンデル/「フーガ 変ロ長調 HWV607」
こう書き並べてみると、私にとってはいずれもが見慣れぬ、聴き慣れぬ曲ばかりである。やはりオルガンの独奏曲というのは他の楽器の曲とは一線を画しているのだろうか?
※ こちらは演奏者側から見たところです。皆さん珍しそうに見ています。
ただ、聴き慣れぬ曲のオンパレードだったが、リード文でも触れたように独特の音色が魅力的だった。対して、パイプオルガンが奏でる和音の方は特徴のある音色のように感じられた。
さあて、「ポジティフ・オルガン」の音色を忘れぬうちに「大オルガン」の音色も聴いて二つのオルガンの違いを確かめてみる必要が出てきたようだ。近いうちにキタラのパイプオルガンを聴いてみようと思っている。