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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

圧倒的な存在感 倉岡陽都美さん「道銀文化財団ARTIST BANK 2025」 

2025-02-03 17:59:40 | ステージ & エンターテイメント
 倉岡陽都美さんのソプラノは圧倒的な存在感は会場を圧した感があった。対するテノールの荏原孝弥さんは繊細な表現力に優れていたように思われた。ピアノ伴奏の鎌倉亮太さんの柔らかなピアノタッチも二人に劣らず聴かせてくれました。

     


  昨日(2月2日)、昼と夕方、札幌コンサートホールKiataraの小ホールにおいて2度にわたって道銀文化財団が主催する「ARTIST BANK 2025」 が行われ、私は両方ともに参加しました。
 出演はソプラノの倉岡陽都美さテノールの荏原孝弥さピアノ伴奏の鎌倉亮太さんの三人で、昼公演も夕公演も同じ顔ぶれでした。
 なお、昼公演の方には、三人以外に大谷大学音楽科の学生&卒業生6人が「冬のファンタジアアンサンブル」として加わりました。
 内容的には昼公演が子どもにも親しめるような楽曲を中心にして、夕公演は本格的なオペラの曲や歌曲が中心となっていたため、両者ともに違った意味で楽しめました。

 両者のプログラムを紹介すると…、
【昼公演】冬のファンタジア~歌とピアノであそぶ 音楽の広場~
 ◇ヴェルディ/歌劇『椿姫』より「乾杯の歌」  (倉岡陽都美、荏原孝弥)
 ◇メンケン/『美女と野獣』より「美女と野獣」  (冬のファンタジアアンサンブル)                                                                                                      
 ◇メンケン/『アラジン』より「ホール・ニュー・ワールド」  (冬のファンタジアアンサンブル) 
 ◇ロイド・ウェーバー/ミュージカル『キャッ』より「メモリー」 (倉岡陽都美) 
 ◇木村弓/『千と千尋の神隠し』より「いつも何度でも」  (倉岡陽都美、荏原孝弥)
 ◇ベッリーニ/歌劇『ノルマ』より「清らかな女神よ」 (倉岡陽都美 +冬のファンタジアアンサンブル)   
 ◇ヴェルディ/歌劇『リゴレット』より「女心の歌」  (荏原孝弥)
 ◇モーツァルト/ピアノソナタ第11番 第3楽章「トルコ行進曲」 (ピアノソロ 鎌倉亮太)
 ◇デンチァ/ナポリ民謡「フニクラ・フニクラ」 (荏原孝弥)
 ◇ヴェルディ/歌劇『リゴレット』より「ジルダとマントヴァ公爵のデュエット」  (倉岡陽都美、荏原孝弥)
〔アンコール〕ナポリ民謡/オー・ソレ・ミーヨ (出演者全員で)


【夕公演】冬の華やぎ~歌とピアノで紡ぐ音の世界~
 ◇ヴェルディ/歌劇『椿姫』より「乾杯の歌」  (倉岡陽都美、荏原孝弥)
 ◇ロッシーニ/「誘い」 (倉岡陽都美) 
 ◇ロッシーニ/「踊り」  (荏原孝弥)
 ◇ベッリーニ/「優雅な月よ」 (倉岡陽都美) 
 ◇ベッリーニ/「追憶」 (荏原孝弥)
 ◇中田喜直/「サルビア」 (倉岡陽都美) 
 ◇中田喜直/「さくら横丁」 (荏原孝弥)
 ◇木下牧子/「おんがく」 (倉岡陽都美) 
 ◇木下牧子/「夢みたものは」 (荏原孝弥)
 ◇ガスタルド/「禁じられた音楽」 (倉岡陽都美、荏原孝弥)
 ◇ショパン/幻想ポロネーズ 変イ長調 作品61  (ピアノソロ 鎌倉亮太)
 ◇プッチーニ/歌劇『ラ・ボエーム』第1幕  (倉岡陽都美、荏原孝弥)
〔アンコール〕木下牧子/「ひばり」  (倉岡陽都美、荏原孝弥)

と盛りだくさんの内容でした。(とは云っても一曲一曲がそれほど長い曲ではないので、昼公演は約1時間、夕公演は約1時間30分の公演でした)
 
 さて出演者それぞれの感想ですが、何と云っても倉岡陽都美さんの存在感が抜群でした。今や北海道のオペラ界、歌曲界で最も輝いているのが倉岡陽都美さんではないかと思われるのですが、その圧倒的な声量は会場内を圧していたような感じでした。彼女はイタリア在住15年というキャリアを誇り、本場で活躍されていたということですが、それもむべなるかなといったステージでした。

 また、荏原孝弥さんは声量的には倉岡さんと比べるとやや線が細いかな?と思われましたが、日本の歌曲を歌った時に彼の発音の良さに気付きました。クラシックの場合、現地語(イタリア語、ドイツ語)で発音されるので言語としての発音の優劣はまったく分かりません。ところが、日本の歌を歌った場合、その違いを聴き分けることができました。荏原さんもまたイタリア在住6年ということで本場で活躍された方だということでした。

 そしてピアノ伴奏の鎌倉亮太さんは全曲を弾き通したのですが、そのピアノタッチの柔らかさ、そして長時間にわたり全曲を弾きこなすスタミナに驚きました。鎌倉氏は、大谷大学音楽科の准教授として後輩の指導に当たりながら、社会人の西区オーケストラを指揮監督をし、さらには道内の主要な演奏会で現役のピアノ奏者として活躍するという八面六臂の活躍です。今や道内クラシック界においてなくてはならない存在の方のように思われます。

 こうした素晴らしい音楽家の方々が演奏するコンサートを堪能することができた昨日一日でした。




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