ジンギスカンといえば北海道料理の定番の一つである。その中で「義経」は隠れた名店として通には名の通った店だという。今回「札幌でなければできない50のこと」にリストアップされたことから初めて訪れてみたが期待に違わぬ美味しさだった。
※ 「ジンギスカン 義経」の暖簾です。
「札幌でしかできない50のこと」の登録№036は北海道の肉料理といえばジンギスカンと言われるほど道民に愛されているジンギスカン料理店の代表(?)「義経」である。
ガイドマップでは「ラムはしゃぶしゃぶにする」と題して、次のように紹介している。
「ジンギスカンが食べられる居酒屋。味付きのジンギスカンに加えて頼んでほしいのは、名物の『ラムしゃぶ』だ。臭みがなくて食べやすく、残ったスープに入れる締めラーメンも人気だ。店員さんの気さくな人柄にもファンが多い。」
私は焼肉が大好き!というほどではないが、それなりに食す方であるが、妻が全く肉を食さないこともあり、市内の焼肉店に出向いて食すということはほとんどない。
だからジンギスカンについても、さまざまな集まりの懇親会の会場として「サッポロビール園」や「アサヒビール園」、あるいは「ツキサップじんぎすかんクラブ」などに行った経験はあるが、市内にあるいわゆる市井のジンギスカン店にはほとんど足を踏み入れたことがない。
今回、初めて「義経」のような個人経営のジンギスカン店を訪れた。
「義経」はJR札幌駅北口から徒歩10分ほどの北大南門近くにあり、創業が昭和37年という老舗である。午後5時開店ということで、私は5時を少し回ったくらいの時刻に入店した。本来なら人気店らしいのだが、折からのコロナ禍もあり、私が行った時には焼肉を食していない中年のカップルが店の名物女将と談笑している人組だけだった。
※ 店内はカウンター席とテーブル席、そして奥には畳間の宴会席もあるとのこと。
※ カウンター内で向こう向きに座っている方が名物女将と称される方のようです。
私にカウンター席に座ると、スタッフが注文を聞きに来たので「まずはジンギスカン一人前(750円税別)を、その次にラムしゃぶ(900円)をいただきたい」と申し入れた。飲み物は生ビールにした。
※ おしながきですが、リーズナブルな価格設定です。
最初にジンギスカン肉を焼くとき独特のジンギスカン鍋がガスコンロに架けられた。(ここの店は味付きジンギスカンを提供するからであろうか、鍋には油を落とす隙間が入っていないタイプの鍋だった)そしてジンギスカン一人前が運ばれてきた。付け合わせの野菜はカボチャ、タマネギ、モヤシの三種だった。ジンギスカン肉を運んできたスタッフは「焼き方は分かりますか?」と問うてきた。道産子の端くれとして「えゝ、なんとか」と返答したが、初心者のつもりで聴いておくべきだったかな?
味付きジンギスカンは、ジンギスカンの通から言わせると「邪道」と言われることもあるが、私はこちらの方が好みである。ジンギスカン特有の臭みも抑えられ、甘過ぎない味付けは美味しかった。駅近くにあり、道外客も多いに違いないジンギスカン店としては賢明な選択のように思える。(ジンギスカン初心者にはあの独特の臭みが強敵とも聞いた)
※ 北海道のマークが象られたジンギスカン鍋です。
※ こちらが味付きジンギスカン一人前です。
続いて、鍋を取り換え「ラムしゃぶ」である。こちらは付け合わせの野菜も豊富だった。ハクサイ、長ネギ、モヤシ、トウフ、シラタキが付いてきた。スタッフから「赤身が消えるか消えないくらいの間に食すると良い」とのアドバイスをいただき、そのことを忠実に守りながら、ほど良い加減のところで用意されたやや甘めのあっさりとしたポン酢たれにつけて食した。こちらも外れではない、満足すべき味で、さすがにランクアップされる一店である。
※ 昆布だしとなるしゃぶしゃぶの鍋です。
※ ラムしゃぶ一人前です。
ところが!ジンギスカンを一人で食するなどということは味気ないことこのうえない。ジンギスカンばかりでなく、焼肉一般はやはりワイワイガヤガヤと談笑しながら楽しく食するのが常道ではないだろうか?先述したようにまったく肉を食さない妻と家庭で食する焼肉の方がずっーとましだということを実感した。
なお、紹介文にもあるが、90歳を超えた名物女将をはじめ、スタッフの方々がとてもフレンドリーなのが印象的だった。機会があれば友人を連れて再訪したい。 《ジンギスカン 義経 概要》
〔住 所〕札幌市北区北7条西5丁目
〔電 話〕011-716-6801
〔開館時間〕17:00~23:00
〔休 日〕日曜・祝祭日
〔駐車場〕 無