北京五輪の出場権をかけたカーリング世界選手権がクライマックスを迎えようとしている今、タイミングよくカーリングに関する一つの研究成果が発表された。これまでのカーリング界の常識を覆す新説とは?
道民カレッジの大学インターネット講座に「カーリングのストーンが曲がるメカニズム~世界で初めてその要因を明らかにした研究~」と題する北見工大の亀田貴雄教授のお話がユーチューブで公開された。カーリング世界選手権大会が渦中の今、私は興味を抱いて亀田教授のお話を聴き入った。
※ 自説について説明する北見工大の亀田教授です。
亀田教授が明らかにした「ストーンの曲がるメカニズム」の概要は次のとおりだ。
カーリングのストーンの底には、氷面と接するランニングバンドという円環状の白い帯状の線がある。このランニングバンドはストーンを削ることでザラザラの面を作り出すそうだ。つまりランニングバンドの表面の粗さ加減によってストーン曲がり具合が変わってくる、ということを計測器などを使い科学的に明らかにした、ということなのだ。
※ ランニングバンドとは、左のストーンの底のところに円環状についた帯状の円のことです。
亀田教授によると、これまでストーンが曲がることについて科学的に説明した科学者は皆無で、世界的には初めての発表だということだ。 これまでストーンが曲がるのはその日の氷の状態によって曲がり方が変わるというのがカーリング界では流布されてきた説だったという。亀田教授の説は発表から日が浅いこともあり、まだカーリング界では知っている人が少ないとも語っていた。
カーリング界においてランニングバンドを作るのはカーリング場の責任者であるアイステクニシャンと呼ばれる方だそうだ。ということは、カーリング場ごとにランニングバンドの表面の粗さに違いがあるということになる。
すると大会に出場する選手たちは、大会会場となるカーリング場の氷の状態と、ストーンのランニングバンドの表面の粗さのチェックが必要となってくるということになる。
果たして亀田教授の新説はカーリング界において定説となり得るのだろうか?今後の動向が気になるところである。
現状では昨夜強豪韓国に勝利したロコソラーレの吉田知那美選手(姉)がインタビューで「これからの戦いでも氷の変化を読み切り、全力で戦いたい」と述べていた。今のところ「ランニングバンド」に言及する選手は見当たらないようだが、これからはどうなっていくだろうか?
※ リサーブの石崎選手(真ん中)
現在のところ5勝1敗と首位を走るロコソラーレは早ければ今夜にでも北京五輪出場が決定する。テレビの前で声援を送ろうと思っている。男子のコンサドーレはやや苦戦しているが、なんとか粘りを発揮して男女ともに五輪出場を果たしてもらいたいものである。
それならばランニングバンドや氷の状態は、両チームとも同じということ……ですよね?
スポーツも技量や精神力だけでなく、用具についても研究が必要なんですねえ。
考えてみれば、スケート靴、特にエッジの部分やスキーの板など、冬季スポーツは道具が左右する部分が大きいような気がします。あ、水泳だって水着の抵抗とか関係しますか。陸上競技だって、シューズは大切ですし。
しかしランニングバンドについては、それらとはちょっと違う意味合いがあるように感じました。
具体的には上手に言えないのですが……。
ランニングバンドについてのご指摘ですが、カーリングの場合マイストーンというのはないので、あくまで競技場にあるストーンを使用して試合をします。
ただ、そのランニングバンドを付けるのは
本文でも書きましたが競技場のアイステクニシャンという方が付けるそうですが、それはあくまで手作業ですので一つ一つのランニングバンドの粗さが違うということを大学の教授は話されていました。
ただ、私のレポでも触れているように、研究はまだまだカーリング界の定説とはなっていませんので、今後どのように言われていくのか注目されことなのかな?と思っています。