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札幌景観資産② 指定第2号 「北星学園創立百周年記念館(旧北星女学校宣教師館)」

2021-10-04 16:33:41 | 札幌景観資産巡り

 「北星学園創立百周年記念館」は中央区の北星学園女子中学高等学校の敷地内で校舎に取り囲まれるようにして建っている。明るいからし色の壁が特徴的で、生徒たちからは「かぼちゃ館」として親しまれているという。

「百周年記念館」というよりは「旧北星女学校宣教師館」と呼称した方がこの建物のことを良く言い表していると思う。

   

※ 記念館は北星学園女子中学高等学校の敷地内にあり、後方の校舎、前方の渡り廊下などに囲まれて建てられていました。(建物は移築・改修されているそうだ)

   

※ スイス人建築家マックス・ヒンデルの創意工夫が凝らされた外観です。

   

   

   

 この宣教師館は、北星学園の前身である「北星女学校」を創立したアメリカ人 サラ・クララ・スミス女史の尽力によるところが大きい。スミス女史はプロテスタントの伝道師&教育者として1880(明治13)年来日したが、縁あって1887(明治20)年に札幌に着任した。その年にスミス女史は私財を投じて私塾「スミス女学校」を設立したという。それが1889(明治22)年に道から許可が下り、正式に女学校としてスタートしたという。(この年をもって北星学園は正式にスタートしたということで1989(平成元)年を創立百周年としたようだ)さらに女学校は1894(明治27)年に「スミス女学校」から「北星女学校」へと名称を変えている。

          

※ 北星学園の創始者であるサラ・クララ・スミス女史です。

 そうした中でスミス女史は本国アメリカから多くの教師(宣教師)を呼んだこともあり、1926(大正15)年に女性宣教師たちの住居として建てたのがこの建物だという。ただしスミス女史はこの時すでに教師を引退していたこともあり、この館には住まなかったとも言われている。

 建物の外観は、雪が落ちやすい急勾配の屋根、南側に大きな窓を配置した採光の工夫、トタンで防寒処理した外壁など、設計を担当したスイス人建築家のマックス・ヒンデルの工夫が随所に見られる建物である。

 内部の一階は当時の椅子やテーブル、調度品などが並べられ、宣教師たちの生活が偲ばれる構成となっている。二階は「百周年記念館」らしく学校法人北星学園を構成する各校(北星学園大学、北星学園大学女子短期大学部、北星学園女子中学高等学校、北星学園大学附属高等学校、北星学園余市高等学校)の歴史を記す文物が展示されていた。

        

※ 宣教師館には住まわれなかったというスミス女史が愛用した椅子と説明がありました。

   

※ 室内のテーブル&椅子の食卓と思われます。完全にアメリカナイズされた生活様式です。

   

※ 燭台付きのオルガンです。室内にはこの他にもオルガン、ピアノが展示されていました。

   

※ 一階廊下の様子です。

        

※ 写真のような看板が残っていたことから宣教師館は「スミス寮」と呼ばれていたようです。

 実はこの「北星学園創立百周年記念館」の存在は我が家から近いこともあり早くから知ってはいたのだが、なかなか訪れるチャンスがなかった。今回「札幌景観資産」を巡るという企画を実施することでようやく念願の訪問が叶った。その意味ではまた一つ札幌についての知見を広めることができたと思っている。

《北星学園創立百周年記念館(旧北星女学校宣教師館) 情報》

◇所在地 札幌市中央区南4条西17丁目2

◇建設年 1926(大正15)年

◇構 造 木造

◇指定年 2005(平成17)年3月3日

◇開館日 4月から10月の毎週月・水・金曜日の12時~17時

     ※ 但し事前に連絡の上、許可を得る必要がある。

     ☎ 011-891-2731(北星学園事務室総務課内)

◇訪問日 2021年10月1日



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