演奏陣が100人に達しようかという大編成で、75分間にわたるマーラーの「交響曲 第5番」が奏でられたが、圧巻の75分間だった。今日は気温もそれほど上がらず(最高気温25.3℃)快適な野外コンサートを楽しんだ。
札幌の夏の風物詩PMF2024もいよいよ大詰である。例年終盤に開催される札幌芸術の森・野外ステージで行われる「ピクニックコンサート」が本日開催された。
私は当初、別の予定を入れていたのだが、当日券が販売されると聞いて予定をキャンセルして「ピクニックコンサート」をチョイスした。
私は例によって背もたれの低い野外コンサート専用(?)のチェアを抱えて会場に向かった。今年の聴衆は心なしか例年より多いような気がしたが、どうだったのだろうか?
※ 背が低い椅子のため、後方の聴衆にも迷惑をかけません。
今年のプログラムは以下のとおりだった。
《第1部》
◆PMFオーケストラ・パーカッション・セクション
◇クセナス/『プレイアデス』から『ポー(太鼓)』
◆ルミエサクソフォンカルテット
◇R.ヴィードフ(J.ボードマン編)/サキソフォビア
◇R.プラネル/バーレスク
◇バーンスタイン(J.ボードマン編)/「ウェストサイド・ストーリー」セレクション
◆PMF室内オーケストラ (指揮:ダニエル・マツカワ)
◇モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲K.492
◇ハイドン/交響曲 第104番 ニ長調「ロンドン」から 第4楽章
《第2部》
◆PMFオーケストラ + PMFアメリカ (指揮:マンフレート・ホーネック)
◇モーツァルト/ピアノ協奏曲 第22番 変ホ長調 K.482
(ピアノ:ティル・フェルナー)
◇マーラー/交響曲 第5番 嬰ハ短調
以上、非常に豪華な内容である。途中休憩を挟みながら4時間にわたる野外コンサートだった。
その一つ一つの演奏について感想を述べると膨大なものになってしまう。そこで特徴的な演奏だけについて言及してみたい。
まず「ルミエサクソフォンカルテット」という若手女性サクソフォン四重奏である。彼女らは東京芸大同窓生により結成されたグループということで、PMFとは直接関りはないようだが、ゲストとして招請されたようである。彼女らの演奏の特徴は、非常に軽やかでありながら繊細な表現と力強いサウンドを兼ね備えている演奏だったということだ。さすがに独立して活動しようとするだけの実力を備えたグループの演奏だった。
そしてマーラーについても触れねばなるまい。指揮者のマンフレート・ホーネックは今回のPMFの首席指揮者である。そのマンフレート氏は「マーラーの第5番が得意演目」だとプログラムで触れられていた。そのことはマンフレート氏の指揮に良く表れていたように思われた。当年65歳を迎えられているということだが、とても年齢に見えない若々しい指揮ぶりにそのことが現れているように思えた。
※ 首席指揮者のマンフレート・ホーネック氏です。
ともかく75分間にわたる壮大な叙事詩を聴いているような気分にさせられたマーラーの第5番だった…。
また、直接言及することは避けるが、ピアノ協奏曲のピアノソロを担ったティル・フェルナーのテクニックも素晴らしい技だった。
私はPMFに参加するようになってから10数年経つが、当初は野外コンサートがオープニングコンサートとして実施されていて、そこに参加していたが、野外のオープニングコンサートがなくなってからはピクニックコンサートに参加している。そうした中、この時期の野外はなんといっても “暑さ” が難敵である。それが今日は気温も適度(?)のうえ、曇り空だったことからとても快適な中でのコンサートとなった。