まさに道民に愛される北海道警察音楽隊の面目躍如の定期演奏会だった。歌こそないものの、演奏あり、ステージドリルあり、合同演奏あり、コミカルなコントあり、と多彩な内容は聴衆を最後まで飽きさせない配慮が散りばめられたステージだった。
昨日(9日)午後、札幌コンサートホールKitaraにおいて北海道警察音楽隊の第44回目の定期演奏会が行われ参加した。開会前の道警本部長の挨拶によるとコロナ禍のため3年ぶりの有観客での定期演奏会の開催だということだった。
コンサートは無料招待となっていたので、おそらく満席分の招待状が発送されたと思われるのだが、けっこう空席も目立ったのが残念だった。Kitaraのキャパは2,008人というから1,700~1,800人の入りではなかったろうか?私たちに与えられた席は、なんとステージ背後のP席だった。まあ、ふだんはなかなか座れない席だということで、そこから見える景色を楽しもうと思った。今回のコンサートで演奏された曲は次のとおりだった。
※ 私たちが座ったP席から見たKitara大ホールの客席の様子です。
曲目を一覧してお気づきだろうか?とても考えられた構成になっている。硬すぎず、軟らかすぎず、誰もが楽しめる曲目構成となっていた。
その中で私がP席に座ったことで印象的な一曲があった。それは最初の行進曲「自由の鐘」である。「自由の鐘」文字どおり鐘の音が曲中に印象的に何度も鳴らされる。それが私の座ったP席の直ぐ前で叩かれるのだ。バランス的に鐘の音が必要以上に大きく耳に届いたが、これも貴重な体験と思って受け入れた。それにしても目の前で演奏するパーカッション担当の方々は実に忙しい。道警音楽隊の場合は4人で担当していたが、曲目によって担当する楽器が絶えず変わるためにとても忙しい思いをしながら演奏していることを改めて思い知らされた。
道警音楽隊の演奏レベルについてはこれまでも何度も触れているので割愛したいが安定した演奏技術は聴いていてとても和むものであったことは記しておきたい。
私が聴きながらメモした「昭和歌謡コレクション」の内容を紹介しておきたい。( )内は歌手名です。①「異邦人」(久保田早紀)、②「時の流れに身をまかせ」(テレサ・テン)、③「魅せられて」(ジュディ・オング)、④「ラブ・イズ・オーヴァー」(欧陽菲菲)、⑤「シンデレラ・ハネムーン」(岩崎宏美)の5曲がメドレーで演奏された。
※ 北海道警察音楽隊とカラーガード隊です。(プログラムから拝借)
休憩を挟んでの第2部はサービス満点の道警音楽隊の面目躍如のステージだった。定期演奏会では初めての試みだという高校吹奏楽部(今回は北海学園札幌高等学校吹奏楽部)との演奏は、高校生の皆さんを大いに勇気づける機会になったことだろう。そして【ステージドリル】である。「ミュージック・パトロール2023」と題するおそらく指揮者の松本仁孝氏の編曲によって構成された曲をバックに、シンバル演技や鍋釜を用いた演奏、音楽劇と多彩な内容はお年寄りや幼児たちを大いに喜ばせたに違いない。そして9名の「カラ―ガード隊」の登場である。フラッグやポンポンなどを持ち、演奏に合わせてキレの良い演技をする彼女たちがステージを大いに華やいだものにしてくれた。
※ 北海学園札幌高等学校吹奏楽部です。(ププログラムから拝借)
私は昨年12月の「道警クリスマスコンサート」に続いて道警音楽隊の演奏を楽しんだが、いつ聴いても楽しませてくれる北海道警察音楽隊の音をこれからも機会あるごとに聴かせてもらいたいと思っている。