すでにクリニックのドアは開錠してあったので、その通行人は「待合室に入ってもらって待たせてもらっています」と・・・。待合室に行くとくだんの「親切な通行人」はおらず、そのパジャマのご婦人が一人ソファで待っていた。(えっ?・・親切というか対応に困ってこちらにお世話をお願いしたのか?・・と思いつつも)鎮座された患者さんのお顔には見覚えがない。話を聞くと「私の妹が妊娠しているのでその赤ちゃんを見せてほしい」とか「傘がここにあるはずだ」とか辻褄があわず会話にならない。お名前を聞いて調べてもうちへの来院歴はない。ご自宅を聞いてもはっきりしない。手荷物には薬がたくさんあってよくみると他院からの処方である。さて困った。他院管理の患者さんのようなのでこちらでは迂闊に動けない。あまり出すぎたことをするとそちらの先生の管理下なのでその先生の顔を潰すことになる。かえってどこにもおかかりではない患者さんなら、いろいろ気兼ねなく動けるのであるが・・・。