生活習慣病のことを、昔は成人病といっていた。食事習慣や日ごろのエキササイズ不足などが昔で言う成人病の成因に大きな割合を占めていることからこのような呼び名になったのかもしれない。昔の話である。医者になって10年目頃だった。週1回行っているバイト病院に10歳の男子が入院していた。当時で言う肥満児だった。カルテをみると肝機能障害精査目的入院とあり、肝炎ウイルスの検索やら薬剤性肝障害の可能性がカルテに記載されていた。肝酵素は中等度の上昇であり、本人は何の症状もなく毎日を病院のベッドでもてあましていた。いろいろ医者が日替わりで診察しそれぞれの診断やら印象やらがカルテに書かれていた。私はとりあえず超音波検査が予定されていたので施行した。特に胆道系の拡張やら門脈系のうっ滞もない。結石もはっきりしないのである。しかしなんとなく肝臓は高輝度でbright liverの印象があった。どうも脂肪肝のような感じであった。結局分からないままその日は帰宅した。