吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

診療こぼれ話 その5

2012年11月14日 06時42分32秒 | インポート

最近、ようやくひと段落ついたが、「トイレの花子さん」的な都市伝説のような話題である。一時期体温が低いと病気になるとかいわれた時期があった。患者さんも体温低いことは悪いことで体温が高いほうがよいのだと括っていた人も多かった。私にしてみればまあ別にどっちでもいいのである。自分の通常体温を自ら厳格に定め、その体温から増減するととたんに「病気になる」方も多い。 「風邪ですか? お熱は、ええっとー、36.7℃で平熱ですねー」というと即座に切り返される。「いやっ、先生私の平熱は35.6℃ですから、今のこの体温では私は熱があるのですっ!」とキッパリと否定されるのである。正直言ってこれら患者さん達がお持ちの「平熱論」には参加したくない。面倒くさいのだ。とりあえず開業医は健康相談なども行なっているのだが、このような持論をお持ちの患者さんはご自身の健康バロメーターに確固たる一家言をお持ちなのだ。しかしながらその一家言の根拠はどうも「○○さん(友人)がそう言っていたから」とか「TVのバラエティ番組で観たから」といった比較的医学的根拠の乏しい都市伝説を信じられているようなのである。