昨年末までは本当にひどい下痢で臨床的にはノロと思われる患者さんが多発した。今年になってからはパタッと止まり、かわって1月初日からインフルエンザ陽性の患者さんが鰻上りに増えてきた。「あ~ノロは終息して今度はインフルエンザが流行するかな」と思いつつも、通常ならばノロの次はロタ・ウイルスによる下痢症が来るはずだと考えていた。ロタ・ウイルスはノロに遅れてピークがくるらしい。特徴は「白色便下痢症」といわれているくらいで、コメのとぎ汁のような乳白色のような水様便とのこと。1月中は下痢の患者さんはほとんどいなかったが2月になってまた下痢の患者さんも少しずつふえてきた。しかし異口同音に「えっ? 下痢便が白い? そんなことないですよ。茶色の水ですけど・・・」と不思議がられた。やっぱりロタではなくノロが再燃しているのだろうか? ノロ・ウイルスは迅速キットがあるので鑑別にはそれで調べればいいのだがうちは導入していない。だって1歳以下か65歳以上にしか保険適応がないものだからそりゃ使いづらい。 1歳以下のひどい下痢はうちではなく小児科にいくだろうし65歳以上でひどい下痢の方はそんなに多くは来院しません。これではこの高いキット入れても元が取れないので・・・。