たとえば孫やひ孫の顔を見ると、自分の子供と間違えてしまうようなことはよくあることである。その時の自分は、自分の子供が小さい頃にタイムスリップしているのである。その孫やひ孫を抱き上げて、自分の子供の名前を連呼されると、横にいるいい歳になった本当の子供たちはガッカリするという話を外来で聞く。このように昔の記憶はしっかりしている。つまりこの警察の「名前が言えなければ身元照会する」というマニュアルは間違っている。かなり重症の認知症の方でも、一番古くからの記憶である「自分の名前」はかなりの確率で言えるのである。ここを身元照会のキーワードにしたのは、どう考えてもこのマニュアルは医学監修がなされていないと感じた。同じ職務質問でも疾患特異性を考慮しなければ何の役にも立たない。認知症とただのものわすれとは訳がちがうのである。
警察庁からの通知で、認知症などで家に帰れなくなった人を対象にしたマニュアルがあるそうである。その確認事項の中に「名前が言えなければ身元照会をする」ということがマニュアルにあるそうである。この亡くなった男性は住所や年齢は言えなかったらしいが、名前は言えたのである。しかしこれは違うのである。認知症の患者さんを診ている医師であればすぐにわかるマニュアルの間違いなのである。認知症患者の特徴は「短期記憶障害」である。これは最近の出来事の記憶ができなくなるのである。重症になれば5分前のことも覚えていられない。しかしながら認知症にり患する前の、過去におぼえたことは忘れていないのである。だから自分の名前などの昔のことはよく覚えているし話もできる。しかし時系列がきちんとしていないので、いろいろな世代の人たちが同じ世代にでてきて生活しているような話になってしまう。
詳細は不明であるが、警官はその男性をそのままとし引き上げたとのことであった。そして翌日その男性は死亡しているところを発見されたのである。その男性の身元はずっと分からない状態であったが、最近になってようやく判明した。実はこの男性、82歳の認知症を持つかたで横浜の介護施設から姿を消し行方不明になったのだ。すぐに捜索願が出されたとのことであるが、横浜から中野までどうやってたどり着いたのか、そしてどのように生活していたのか不明なままなのである。さてTVの番組ではお決まりのTVコメンテーターの「結果論的コメント」である。「なんであの時警察官はきちんと身元を照会しなかったのか?」「なんであの時、救急隊は病院に連れて行かなかったのか?」 あとからあら探しして非難することは誰にでもできる。「ゆうだけ番長」(夕焼け番長という漫画をもじったもの)は誰でもなれる。
4月某日のTVニュースで見た。昨年の夏の話である。中野あたりの公園で高齢男性が倒れて動けないということで119番通報があった。救急隊員が駆けつけると住所、年齢ははっきりしないが名前は言える。病院搬送を促すと「一人で帰れます」と搬送をかたくなに拒んだそうである。特に全身状態に問題なく、搬送を希望する意思が本人になければ救急隊は引き返さざるをえない。そしてその日の夜もその男性は公園で寝ていたため通行人から110番通報があった。現着した警察官は名前を聞いたところきちんと名前は言えた。具合を聞いたところ「大丈夫です」とのこと。そして「119番呼ぼうか?」という問いにも「大丈夫です。いりません」とはっきり断ったそうである。その警官は、自分の住所はきちんと言えなかったらしいので、その高齢男性をホームレスと思ったのかもしれない。
6月より今年度の特定健診が始まっております。現在の対象者は、国保の方で4~7月生まれの方となっています。順次、8~11月、12~3月の生まれの方が1か月ごとに受診可能となります。
なお長寿健診(75歳以上の方)は8月より開始となります。
お手元へ必ず区から案内が郵送されますので、よくお読みになってから受診ください。
当院ではお電話で予約をいただいております。お電話がない場合は、予約の方が優先になりますのでお待ちになる場合がございます。
また特定健診(福祉健診、長寿健診含む)は、所謂、生活習慣病(成人病)のための健診です。
オプションで40歳の方のピロリ菌の検診、および2年に1回男性では前立腺癌の検診もくわわります。
しかし、その他の癌検診は含まれておりませんので、区で行う胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮がん検診を必ずお受け下さるようお願いいたします。
なお長寿健診(75歳以上の方)は8月より開始となります。
お手元へ必ず区から案内が郵送されますので、よくお読みになってから受診ください。
当院ではお電話で予約をいただいております。お電話がない場合は、予約の方が優先になりますのでお待ちになる場合がございます。
また特定健診(福祉健診、長寿健診含む)は、所謂、生活習慣病(成人病)のための健診です。
オプションで40歳の方のピロリ菌の検診、および2年に1回男性では前立腺癌の検診もくわわります。
しかし、その他の癌検診は含まれておりませんので、区で行う胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮がん検診を必ずお受け下さるようお願いいたします。
どんなビルでも建物でもタワーでも必ず非常階段というものがある。災害時、緊急時に必ず使えるものである。あの911の同時多発テロで貿易センタービルにいた人たちもこの非常階段を何百段も下っていち早く非難し生存した人も多かった。今回の地震で、エレベータが停止したのは当たり前である。地震でエレベータが停止したと報道こそされたがこんなこと別にニュースにしなくてもいいくらいの今の「災害日本」である。むしろ問題は、「次の手段」として当然使えるべき非常階段がなぜ使えなかったのかであり、むしろこちらのほうが根が深い。ところがそれについてニュースで解説されていないこと(注目されていないこと)に自分はとても不安を感じた。本来であれば「このような時のための」非常階段なのである。それが使えなければ災害における「自助」の道が閉ざされたことになる。防火・防災担当者の責任は極めて重い。またそれに注目しない報道の在り方も不思議である。
5月30日午後8時20分ごろ、小笠原近辺を震源とする地震が日本各地を襲った。幸いひどい物的被害はなく東京も深度4程度であり甚大なものではなかった。しかし、高層ビルでエレベータが停止し、かなりの人達が高層階で足止めされたとTVで報道された。もちろん地震でエレベータが自動的に運行停止になるのは当然でありやむを得ない。これは安全管理上必要な事なのである。しかしそのあとがいけない。なぜ高層階に足止めにならなければいけないのか?これはいわゆる「次の手段」が機能していないのである。TVのニュースでは、高層階に足止めにされてしまった人のインタビューが出たが「非常階段が使えなかったんですよ」と。実はなぜそうだったのかの検証は必要である。その点について解説もコメントもなかった。不思議なのである。非常階段が使用できなかったことの危機感を認識するほうが重要である。
時々、この「五月蠅さ」には閉口するが、窓口の役人が「受け付けない」と言えば受け付けてもらえないのである。生殺与奪の権限は向こうにあるのである。だから「ダメ」と言われれば、その持参した書類は「無効な」書類になるのである。さてここで今回の相模原市議会選挙の話に戻す。選管と役所の窓口は比較の対象にはならないのは承知の上である。しかし共通点として行政の仕事というのは正確性をむねとし、書類というものは少しの狂いもブレも許されないと思っていた。ところがなんと今回の誰に投票したのか曖昧な、いわゆる記載不備である投票用紙を選管は無効票としなかったのである。自分としてはどの議員が当選しようが落選しようが興味はない。しかし興味があるのは、一方では完璧なまでに完全性を追求する書類作成を理念としながら、もう一方では完璧な記載ではない投票用紙をOKとして処理したことである。この落差は自分の中では到底処理できないできごとなのである。お役所の仕事とは100点満点のもの以外は99点であっても0点扱いにするのだと今まで自分の経験の中では理解していた。だからこの投票用紙を無効票のままにしておけば「さすがお役所!少しでも不備があるものは受け付けないというブレない姿勢」と絶賛・共感するのであるが・・・。何だかよくわからないのである。
選管と、自分が関係する行政の窓口とは比較の対象にはならないであろうが、行政の業務ということで比較させていただく。仕事上、自分はいろいろな行政上の書類を作成する。これら書類はかなりその書き方が「やかましい」。いやになるほど杓子定規で細かいところでも書き直させるのである。あたりまえだが行政(換言すれば「お役所」)の書類はみんな一字一句きちんと書くのが正しく、少しでも曖昧なものであれば受け付けてもらえない。あるいは(書類を受け付けた担当者にもよるが)印鑑(三文判)を押す場所が少しでもずれているとすべてやり直しさせたり、吉田の吉は「土」なのか「士」なのかはっきりかけと突っ返したりもしてくるのである。とにかくお役所の書類とはかくも細かいのである。とにかく少しでもあちらの意向に沿わないものは「無効」な書類として扱われるのである。つまり100点以外は0点なのである。
当初、無効票であったが調べなおしの結果「有効票」になったものは、「大つき か〇ひ」(〇は判読不明文字)と書かれてあった。これが候補者「おおつき かずひろ」に1票としてあらたにカウントされ、逆転でこの「おおつき かずひろ」候補は当選し、最下位当選していた別の候補者は入れ替わり落選したのである。この問題の投票用紙であるが、「おおつき」という候補者が1人であれば「おおつき」とかいてあるのですぐに誰への投票かはわかる。しかし悪いことに「おおつき」という名字の候補者がもう一人いたのである。だからこの投票用紙は当初無効になったのであるが、クレームにより「おおつきかずひろ」氏への有効票とカウントされ、土壇場で逆転当選となったのである。まあ逆転落選となった候補者の思いも忸怩たるものがあるであろう。あの問題投票用紙をどう判断するのかは選管の判断なのであろうが、候補者には極めて重みのあるものである。
また4月26日の選挙の話である。相模原市での市議会選挙で当落発表後のことであるが、無効投票の扱い方をめぐって落選者からクレームがつき、当落ラインでの当選者と落選者が発表後に入れ替わるという珍事が起きた。いきさつは、あと一歩で当選を逃した候補者からのクレームで無効投票をもう一度調べなおし、落選者の名前と類推できるものを勘定に入れた結果0.6票くらいの差によって逆転当選となったというものである。しかし当初最下位当選し、その後落選とされた候補者は明らかに不服であろう。彼はその逆転の1票となった投票用紙のコピーをカメラに見せながら「この書き方でどう判断するかは有権者の判断次第ですね」と暗にその投票用紙は無効であるような含みを持たせたのである。