じゃがいもとマヨネーズ

夜中になるとろくな考えが浮かばない。

「大学さえ普通に出ていたら」と思うし、そうでなければ、もともと大学進学しないような学校に入れるべきだった。
高校の先生はとにかくその次の窓口まではつないでくれる。
就職先は考えてくれただろう。

するとkekeの寝がえりの音が聞こえて来た。
そりゃあれだけ昼間寝てるんだ、寝られるわけがない。
時計を見ると4時だ。
寝られないならこっちでＴＶを見たら？と言うけど、無視してる。
そうだ、昨日から口をきいていないんだったっけ。
たぶん、意識的に無視してるんだろう。
あぁそうかい。

それでも6時になって起きるとkekeも起きて来た。
「朝起きてるんだ、えらいねぇ」と言った。
すると、「朝ごはん」と言うので、せっかく朝頑張って起きてきたんだ、何か作ろうと思う。

昨日買った「じゃがいもの和風マヨネーズ」と言う調味料があって、じゃがいもをチンして炒めているとkekeが来て「このマズイのをまた作るのか？」とむかついていた。

「これ、前にも食べたっけ？」と尋ねると、食べたらしい。
どうして買ったんだ、と言うので、「kekeの好きなじゃがいもとマヨネーズだからだよ」と言うと、じゃがいもは揚げたのが好きなんだと言い、好きなのはポテトでじゃがいもじゃない、と言う。
でも、本気で怒った様子ではなかったと思う。ただケチをつけたかったんだろうと思って、「そうかい」と言った。

「せっかく作ったのにねぇ」
「頑張ったって認められないんだよ。」
ここだ、と思って「頑張ったって、アピールしなきゃ分からないよ。」とひとこと言った。

どんなに頑張ったって、思いが強くたって、それだけじゃ叶わないよ。
分かってもらいたかったら、表現しないと。
それは、お前がこの先知らなきゃならない大切なことなんだよ。
たぶん、一番ぐらいに。

私はそれと冷凍しておいたハンバーグをチンしてみたが、じゃがいもの方は食べない自分で食べろ、と言う。
私はパクパク食べて、普通においしいよ、今回はじゃがいもも説明書の通りの分量にしたし、普通においしいよ、と言った。


そうだ、昨日のケンカの時、私は悪い事をした。
「ダメか。。。」とつぶやいたんだ。
あれも怒った1つの要因だった。

それは結構最近の私の口癖で、kekeだけじゃないんだな。
たしかに言われて楽しい事じゃないな。
これは今後封印しよう。

それからたしかに「1年これでいいと言ったじゃないか。そんなつもりじゃないけどさぁ」と怒っていたので、本当に1年は黙っていよう。
そしてそれが終わったら、もうここから出て行こう。

引越しが経済的に無理なら、夜遅くに寝にだけ帰ろう。
それか真剣にお見合いして養ってくれる人を探そうかな。
そう思うと夢も希望も出て来る。

来年は22歳だ。
住む寝る所食う所さえあればもう虐待とは言われまい。
カップラーメン山ほど買って、それから食費だけ現金で置いて行けばいいだろう。

1年過ぎたらもう赤の他人だと思えば、じゃがいもがマズイと言われても平気だし、幾らでも褒められる。

そもそも「朝ごはん作ってください、お願いします」だろうが。
ケンカになるから言わないけど。