木の芽草の芽あるきつづける/種田山頭火
木の芽立つこの時期は、私が一番好きな季節である。猫の額ほどの庭でも、季節はその移ろいを姿にして見せてくれる。もみじは柔らかい新芽を出しているし、ローズマリーは沢山の花をつけた。草むしりをしていると、実生で生まれたのだろう小さな山椒の木がある。昨年の「加藤清正シンポジウム」のあと、会場で頂戴した清正ゆかりの鶴崎の法心寺の銀杏の実を5・6粒植えてみたのだが、はたして芽を出してくれるだろうか。興味が尽きない。餌を与えるようになってから、毎日沢山やってくる小鳥達のせいではないのか、変な雑草も顔を出している。そんな事を観察するのも楽しみだし、なんといっても掘り起こした土の匂いが嬉しい。
齢を重ねると、そんな自然の営みもいとおしく感じる。散歩の途中で見つけた白い「大根の花」を手折りて、一輪挿しに投げ入れてみたりする。