熊本電波工業高等専門学校 研究紀要 第 35号(2008) 草野美智子氏 細川父子の往復書状に見るボディランゲージの表現効用
![]() |
俳句で綴る 変哲半生記 |
岩波書店 |
目次
第1章 俳句を知り初めしころ;第2章 句友がいれば、苦吟もまたたのし;第3章 駄句への愛着、迷句へのこだわり;第4章 句縁で結ばれ、豊かな後半生
出版社内容情報
「私にとって俳句は遊び.だから真底楽しい」と語る著者.東京やなぎ句会発足の折に,初めて俳句と出会い,はや四十年余.東京やなぎ句会のほか,さまざまな句会にも参加し,詠んだ俳句はなんと四千にものぼる.本書ではその全てを,俳句にまつわるエッセイと共に収録する.俳句と句会・句友への愛と感謝に満ちた,変哲句集の決定版.
雑花錦語集(巻九十九)
- 1 東海道旅篭献立之事
- 2 木曽路旅篭献立之事
- 3 大日本五嶽之図
- 4 松平越前守様御能番付
- 5 女達磨の賛
- 6 中川宅三味線番付
- 7 碁打の花見
- 8 妙園寺紀行
- 9 吾妻森紀行
- 10 吉原絹売
- 11 吉原高札
- 12 論語町
- 13 噴嚏ノ時呪
- 14 真間紀行
- 雑花錦語集(巻百)
- 1 雑記三十七ヶ条
- 2 三角浦名所之由来
- 3 かせいたの方
- 4 三角より沼山津村江之紀行
- 5 長夜の夢
- 雑花錦語集(巻百一)
- 1 泰勝院様御弔ニ桑州建立和歌
- 2 ある人の岡場所によする和歌
- 3 樋口元賀狂歌
- 4 瀬川菊之充狂歌
- 5 品川の狂歌
- 6 萩野八重桐落書歌
- 7 森田座の狂歌
- 8 市村座の狂歌
- 9 三芝居三名
- 10 金子如是
- 11 萩野八重桐落書の詩
- 12 軍用の歌
- 13 持萩中納言配所の和歌
- 14 是福の和歌
- 15 是福に返しの歌
- 16 神谷兼テイの歌
- 17 吉田氏の歌
- 18 兼テイの歌
- 19 矢部の兵助大小の歌
- 20 市村座中村座狂歌二首
- 21 兼テイの歌
- 22 朝鮮人につけて狂歌二首
- 23 よみ人不知狂歌二首
- 24 兼テイの歌
- 25 熊谷吟之の発句
- 26 とろゝ汁の歌
- 27 長波吊の発句
- 28 蛍鳴発句
- 29 よみ人不知祝の歌
- 30 猫恋の歌
- 31 近吉相の山の歌
- 32 蚊遣の歌
- 33 玄旨公御和歌
- 34 紹巴歌
- 35 庚辰大小の歌
- 36 元賀狂歌
- 37 玉山狂歌
- 38 時国の狂歌
- 39 梅淳狂歌
- 40 露笹歌
- 41 祖閣尼歌
- 42 時国の七草の狂歌
- 43 河喜多正設老母寿之歌
- 44 森本一端の歌
- 45 五月雨の御製
- 46 一休いろは歌
- 47 成嶋道筑達磨の賛
- 48 樋関月梅枝の歌
- 49 不知読人角力の歌
- 50 軒下の卒塔婆の歌
- 51 湖長五月雨の発句
- 52 旨原納涼発句
- 53 湖長時鳥発句
- 雑花錦語集(巻百二)
- 1 玄旨公御狂歌
- 2 三斉公御詠
- 3 養生歌尽
- 4 松下苔也寿歌
- 5 酒井忠知卿上京の節御歌
- 6 河喜多正設詠草
- 雑花錦語集(巻百三)
- 1 樋口関月むだ書
- 2 樋口関月桜馬場の老女に送る文
- 3 岩戸開帳并スモウの落書
- 4 角力亀川落書
- 5 秀吉公の御父母の事
- 6 雑司谷紀行
- 7 唐韻ニ而詩談様
- 8 天文図解
- 9 世上によする小唄
- 10 出羽国之化物
- 11 初市賦
- 12 酒笑談
- 13 赤膚山十八景
- 14 田舎掃溜之序
- 15 異魚之事
- 16 日奈久に取たる魚之事
- 17 朝鮮人芸馬騎形 宝暦14年
- 18 江戸道中より取来候品々名目
- 19 龍虎会談
- 20 魚つくし先陳問答
- 21 青物つくし先陳問答
- 22 泰勝寺道具飾献立
- 23 主水殿献立
- 24 江戸両国追入之獣
- 25 朝鮮人持参之謎文字
昭和56年11月初版の「一句八景--俳句と私」に、劇作家宇野信夫の一文がある。歌舞伎役者や落語家との交流の中での、俳句を通じての話題が取り上げられている。初代中村吉右衛門の話が最初に出てくるが、その当時は「団菊祭」で吉右衛門は清正の役を務めていたという。
楽屋の事と思われるが、「床には靫彦えがく兜の軸、わき床には、ひいきから贈られたという清正の鞍がおいてあった」という。豪勢なことではある。
そんな中、句会が催され、吉右衛門は
楽近き団菊祭りや菖蒲風呂
楽屋にも菖蒲とどいていたりけり
市川三升が
清正の乗りし鞍とや春惜しむ とあって、これが一番売れた(?)とある。
この市川三升と云う人物は、五代目三升で、九代目市川團十郎の婿養子のことであろう。
安田靫彦は吉右衛門と同年で大変親しかったらしく、又靫彦の兄も歌舞伎役者で吉右衛門の門下なのだそうだ。
その故をもって特別に描かれた「兜」の絵なのであろう。
なかなかお目にかかることはないのだろうが、「清正の鞍」も拝見したいものである。
また靫彦が「王昭君」を描いているというのも、奇遇なことではある。