津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

お安く読む・山川出版社「武家奉公人と労働社会」

2013-04-08 22:57:42 | 書籍・読書
   武家奉公人と労働社会 (日本史リブレット)
             森下 徹
            山川出版社

 

出版社 / 著者からの内容紹介

身分社会と奉公人/武士の役/奉公人の調達/萩城下の成り立ち/周縁部の宿/奉公人の結びつき
 

内容(「BOOK」データベースより)

身分によって成り立つ近世社会には、家や集団から疎外された人たちもたくさんいた。そのなかに労働力販売で日々の糧を得る者があった。かれらには自身の肉体以外に共同で守るべき所有対象はないし、その労働もだれにでも代替できるものだった。社会の構成原理からは異質な存在ではあったが、それでも当時の社会はかれらの労働を必要とし、むしろそれに依存するものともいえた。その最たるものが武士がかかえた武家奉公人なのである。そのあり方をとおして、近世における労働社会のありようにいささかなりとも迫ってみたい。
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山鹿郡城村籠城之次第 (一)

2013-04-08 10:02:56 | 史料

  九州征伐を前に肥後国に割拠する国衆に対し、秀吉は領地を安堵している。薩摩の嶋津を平定し、帰途秀吉は肥後国主に佐々成政を定めて帰洛する。
成政は秀吉から検地は罷りならぬことを指示されながらも検地を強行する。肥後国衆の一揆の原因はこれに尽きるし、秀吉の指示に違反したことで成政は
我が身を滅ぼし、国衆も一揆を起こしたことにより領地を召し上げられ、加藤清正の登場により肥後国は新たな時代を迎えることになる。

 県北山鹿の城村城に侍・農民一万五千人が籠城し、佐々軍と対峙し一方ならぬ抵抗を試みる。
ここでご紹介する文書は、後年細川光尚がこの地を訪れた折、籠城に加わったという老人の話として伝わっているものである。
「城村城守戦記」(肥後古記集覧巻十)も同様のものであるが、これにはこの文書の前段として、「前後の覚書」が書かれている。今回は上妻文庫から
「山鹿郡城村籠城之次第」のみをご紹介する。 

                              山鹿郡城村籠城之次第  

一天正十四年五月廿三日太閤肥後國於隅本國侍不残被召寄其中ニテ宇土へ本知五百町・城へ本知八百町・隈部へ本知八百町此三人ハ通之御朱印
 被遣當國之守護ニハ佐々陸奥守成政ヲ被召置被成御上洛事
一同年七月朔日之御礼ニ隈部但馬守親永隅本へ出府之時成政被申候ハ隈部持分八百町之御朱印ニテ候条検地ヲ入可相渡由被申候ニ付隈部色々
 断リ被申候得共成政同心無之ニ付隈部云菊池・山鹿・山本三郡ニテ八百町ハ先規之通ニ秀吉公ヨリ被為拝領候然所ヲ當国ノ侍數多在之中ニ隈部領
 分バカリ検地被仰付候事外聞不及是非候条検知成申間敷旨ニテ居城菊池之内隈府へ引籠ル 成政七月廿四日之夜六千程ノ人數ニテ隈部へ發向其
 砌親永ト嫡子隈部式部大夫親安ト親子不和ニ成 親安ハ山鹿郡城村之城ニ在城ト成政聞テ親安方へ成政ヨリ被申遣候ハ元来其方親子不和ノ儀無其
 隠惣而隈部氏ハ國侍ノ内ニテモ別而故有家ニテ候条家ヲハ滅亡有マシク候 親永不所存故隈府ノ城ヲ破却スル也 跡式之儀ハ無相違其方へ可遣候
 条早々城村ヨリモ人數ヲ出シ可申旨申遣 就夫親安色々相談之時有動大隅守兼元申候ハ於此儀脇ヨリ兎角難申上候 其子細一ツモ無之候 又陸奥守
 殿ト御一味被成候得ハ現在之御親父ニ弓ヲ御引被成候 此両条ハ何レノ道ニモ御分別ノ趣所ニ御極候ヘト申時親安ノ曰(イワク)時ニ随ヒ義ニヨツテ侍
 ノ身命を捨テ家ヲ破ル事古今不珍候 イカニ義絶タリ共現在ノ親ヲ討果シ候ハ天道ニ背キ人口ニモ落悪名ヲ可蒙候 然上ハ今度ハ日来ノ遺恨ヲ捨父ト
 一所ニ討死ト相極ナリトアリ 兼元ヲ始何モ御尤至極ト一同仕此上ハ陸奥守殿ニ對シ手ダテ可然由ニテ先陸奥守殿ヘハ御意畏奉存候御日限ヲ承直ニ
 隈府へ人数ヲ出シ可申トノ返事アリテサテ此内意ヲ親父親永へ被申合陸奥守殿隈府ヲ被攻候時親安裏切被仕又城中ヨリモ打出申内談相究候處ニ親
 永之一家老多久大和別心仕陸奥守殿へ右ノ首尾ヲ一々言上剰 (アマツサエ)城ヲ被出陸奥守殿ハ犬ノ馬場口へ親安ハ城村ヨリ直ニ玉正寺原ト云所陸奥
 守陣所ヨリ川ヲ隔テ切所ヲ構へ陣ヲ取 其時陸奥守殿ヨリ郡評定可被成候間彼方へ被参候ヘト使三度来ル 其使ノ様躰アシク在之ニ付親安云如何様
 内々ノ儀陸奥守殿へ相知レタルモノト見ヘタリ然上ハ重テ使来候ハゝ討果シ候ヘト被申付然處ニ又使来ルヲ則討果ス 其ヤウスヲ多久大和承人数千
 五百ニテ追手ヲカタメ居ケルカ其マゝ引破リ陸奥殿人数ニ加リハヤ追手ヨリ攻入 冨田安藝ト云家老城中ヨリ突テ出討死仕候 如此ノ仕合故親永城ニ難
 堪法躰シテ降参ス 即刻式部太夫親安陸奥守ト可有一戦ト被申候ヲ何モ侍共申候ハ如此勝ニノリタル大勢ニ此方ノ小勢ニテシカモ切所ヲ越懸リテハ
 千ニ一モ勝利有マシク候 唯是ヨリ城村へ引取籠城被成候ハゝ定テ陸奥守殿御馬ヲ可被向其時切所ニ引請一戦可然ト一同申ニ付親安モ同心ニテ城
 村へ引取被申候 サテ隈府落城ニ付陸奥殿諸御仕置在之隈本へ御歸陳其後同八月七日城村へ發向先日輪寺山之上ニ物見ヲ上ケ城ノ躰ヲ見セ追手
 原口へ人数ヲ押寄足軽セリ合在之時城中ヨリモ追手ヨリ五六町南下古閑ノ谷ヲサカヒ足軽ヲ出シ鉄炮ニテ互ニセリ合在之所ニ城内ノ足軽ノ内ヨリカゝ
 リ申所ヲ陸奥殿先手ノ足軽大将カゝリニ懸リ城中ノ足軽ヲ追立大手原口ノ門ヨリ半町程近ク迄乗懸申所ヲ有働左京・絲木宮内・同小万返合セ右ノ足軽
 大将ヲ追返シ其日ハ勝負モ不決互ニ死人ナシ 

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雑花錦語集の内容(114~119)

2013-04-08 08:54:00 | 史料

     雑花錦語集(巻百十四)

1 酒席之次第
2 四季のやうじ削り様
3 長寿之女女子出生仕事
4 借銭病之事
5 新吉原三社之託宣
6 長岡助右衛門御茶被成候節御道具
7 座頭相撲附
8 諸家に女別式という釼帯役の事
9 鍋嶋加賀守直能息女
10 稲葉丹後守正勝内室の事
11 小出大和守吉英取沙汰之事
12 立花飛弾守宗茂の息女邪の恨に依て叛逆の事
13 衣笠養順妻勇気の余り伊達を好無取沙汰之事
14 萱野宅茶道具附 明和三年
15 蛤賦
16 十二月の和名
17 揚枝寸法
18 染殿后画の事
19 延女の絵の事
20 行成息女絵の事
21 清原氏女絵の事
22 五條御絵の事
23 清盛息女絵の事
24 和国名女実記
25 女の三十二相
26 縫物口伝
27 油之事
28 御即位御能の開口
29 楽講目録并楽人名附
     
     雑花錦語集(巻百十五)
1 七不思議
2 明和3年3月8日 茶会
3 宝暦12年 御手伝
4 宝暦13年 日光御手伝
5 明和3年2月7日 被仰付御手伝
6 明和3年2月 長崎火事
7 熊本能役者本座新座之者共落書
8 明和3年3月21日 茶会
9 貧病帰福丸
10 明和3年正月 二ノ丸御弾初
11 豆腐自慢の記
12 家康公より忠興公への御書
13 七不思議謎
14 正徳5年 八代御献立之写
15 正徳5年 泰勝寺御献立
16 沢村主膳宅御献立
17 長岡壱岐殿宅御献立 正徳6年2月27日
18 有吉大膳殿宅御献立 正徳6年2月晦日
19 津軽城下大地震小うた作者附
20 二見石之記
21 病中伽賦
22 替り大黒舞
23 武州上州百姓騒動

     雑花錦語集(巻百十六)

1 玉印洞記
2 綱利公御歳旦
3 松井直之満五十御賀詩
4 僧大寧詩
5 阿部陸庵文
6 藤崎八幡宮石燈篭銘
7 落陽幽賞
8 白牡丹
9 三井六右衛門詩
10 瑞鷹記
11 新羅三郎吹足柄山笙図賛
12 惟適園六景叙并詩
13 水足父子詩
14 南郭報秋山玉山文
15 南郭与秋山玉山文
16 南郭萱野翁八十賀詞
17 南郭中瀬翁七十賀詩
18 徂来与藪震庵文
     
    雑花錦語集(巻百十七)
1 女中調度八景歌
2 懐胎十月数歌
3 樋口関月ふきのとう歌
4 火よけの御製
5 ある人の狂歌
6 錦野にて修行者の歌并娘返歌
7 稲津頼勝内山氏に送る歌二首
8 女中の名をあつめし歌
9 江戸人の肥後国にて発句二句
10 為家卿四季景物歌四首
11 青嵐亭試筆三句
12 女訓いろは歌
13 禁庭松久御製
14 木山備後守惟生妙空追善六首
15 世安花見 明和3年2月
16 二ノ丸花見 明和三年三月
17 土御門院御製に定家卿うら書
18 米文字歌 (ある人)
19 槐窓和尚歌七首
20 槐窓和尚当社法楽十首外二首
21 横田氏新開道の記
22 武者小路実陰卿御狂歌
23 江戸誹諧の宗匠の句
24 京極宮古今御伝授之節御歌
25 長登歌
26 ある人初恋の発句
27 鍛治屋龍右衛門職人歌仙歌
28 ある人蕎麦の歌二首
29 北条氏政辞世
30 北条氏輝辞世
31 槐窓和尚歌
32 巴水御歌
33 崎女歌
34 忠興公御歌
35 宮川様御歌
36 忠興公香長老と御取遣の御歌
37 数字歌
38 天地四方中央方違歌
39 五行五色の歌
40 諸相応の歌
41 箭の歌
42 刀の歌
43 騰行の歌
44 囲碁の歌
45 双六の歌
46 神社の歌
47 神名皇名の歌
48 古人名の歌
49 唐人名の歌
     
     雑花錦語集(巻百十八)
1 聖遊廓抜書
2 釈迦如来かりのよ太夫と欠落の節書置并辞世二首
3 白楽天船中之澤
4 三聖廓中之戯言
5 地名
6 書銘巻数
7 豊後国海部郡佐賀郷速吸日女社記
8 六神化生如左
9 龍蛇部
10 湯火部
11 亀之部
12 蟹之部
13 酒之部
14 馬之部
15 茶之部
16 雑字
17 樵談治要
     
     雑花錦語集(巻百十九)
1 八代紀行
2 御祭礼次第
3 三草四木
4 砥用紀行
5 蕉雨亭茶会
6 妙解寺御会
7 二月廿一日二ノ丸茶会
8 妙解寺会席
9 きりむし
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