津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

わが蔵書から

2013-04-12 12:05:50 | 書籍・読書

 

我が蔵書に高梨健吉著の「幕末明治英語物語」が在る。1979年8月25日初版本を購入しているから、30年以前に購入したものだろう。
最近本棚から取り出し改めて読んでいるが、これがなかなか面白い。よくぞこのような本を購入していたと自分を褒めたくなってしまう。
目次をご紹介すると次の様にある。

          ・ 英国外交官の見た幕末 ミットフォード「回想録」
          ・ 明治少年の英学修行 新渡戸稲造「幼少の思い出」
          ・ 或る日本人留学生 杉浦重剛「航英日記」
          ・ 明治の翻訳物語
          ・ 米国婦人の日本日記 アリス・ベーコン「日本の内側」
          ・ 日本芸術論 チェンバレン「芭蕉と俳句」 

それぞれの人達に共通するものは、「失われゆく日本」という想いであろうか。渡辺京二は「逝きし世の面影」の冒頭、「日本の近代が前代の文明の滅亡の上に打ちたてられたという事実を鋭く自覚していたのは、むしろ同時代の異邦人たちである」とし、チェンバレンを登場させ、「古い日本は死んでしまった」と慨嘆するさまを紹介している。熊本に赴任してきた小泉八雲も、古い城下町熊本の変わりゆく様を眺め「好きに成れない町」としてとらえていることなどでも窺える。著者高梨健吉は、「日本文化を批判するチェンバレン」が不当な扱いを受けてきたと解説するが、その批判とは「失われゆく日本」に対してであろう。「芭蕉と俳句」はその視点の鋭さに驚かされる。

外交官としていろんな事件に遭遇するミッドフォードや、鹿鳴館の華やかな様を紹介するアリス・ベーコンの記事も有意義である。
新渡戸稲造は「武士道」の著者として知られるが、この「幼少の思い出」も英文で発表されたのだそうだが、日本では「若い日の思い出」とされているようだ。興味深いのは杉浦重剛でイギリス留学を為しながらも、「国粋主義的教育者・思想家」だとされている。その発露は「航英日記」で伺えるようだ。

それぞれの文章は編者高梨健吉氏により編集されており全文を知りえないが、それぞれの全文を読んでみたいものだ。 

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雑花錦語集の内容(156~161)

2013-04-12 07:27:52 | 史料

     雑花錦語集(巻百五十六)

1 霊験七佛
2 合志郡内三十三所観世音略縁記
3 熊本二十五天神社
4 菊池温故
5 明和九年正月より段々出来申候用水堀有所左之通
6 明和九年正月より段々用水桶居り候所々左之通
7 日本女筆之三跡
8 亥猪之餅之事
9 龍眼肉の事
10 天神勤行の次第
11 天神の御十号
12 三昧耶形神体
     
         雑花錦語集(巻百五十七)
1 日本水土考
2 両域人数考 (西川如見)
3 沢山藻
4 社頭月五首 (奥村政安)
     
         雑花錦語集(巻百五十八)
1 江戸難風大騒動
2 おかしき咄し
3 なぞ
4 江戸火事之覚 明和9年
5 高田原御水道前大光山西岸寺出火之事
6 一スイ独語
7 熊田亨比丘尼御前新板八卦秘伝恋宮参三段続
8 しらきく
     
         雑花錦語集(巻百五十九)
1 後光明院御製
2 文山詩
3 寅亭詩
4 梅洞詩
5 李石湖詩
6 梅洞詩
7 三十菊
8 冨雪映月
9 文明短冊四十首
10 友永先生詩集
11 九如集前編
     
         雑花錦語集(巻百六十)
1 日記之内抜書
2 諸御大名衆家来證人之覚 慶安5年
3 細川越中守代ニ被成御預衆之覚
4 細川肥後守代ニ被成御預人
5 禁中炎上之事
6 禁中江御進物
7 明暦四年戊戌万治改元也
8 万治四年辛丑寛文改元
9 妙応院様御代御申之大概
10 新知御加増御役替等
11 乃美系略
12 浄岸院様御尊骸熊本御通棺ニ付差出候面々名付之覚 安永2年2月10日
13 古記之内
14 筑後柳川御家中騒動之事 明和9年
15 大仏三十三間堂大失数
16 江戸表の火事明暦の羊子准ル類焼狂歌 明和9年2月29日 30日
17 安永二年癸巳正月之落書
18 改元事考 寛文13年9月
19 日本給人知行数
20 字読方集書
21 四十六人義士之墓所
22 当道要集
     
         雑花錦語集(巻百六十一)
1 下野国都賀郡日光山名物
2 小笠原家和歌之事
3 根津の見世三味線之事
4 釈迦如来之内室并智識僧破戒
5 小国満願寺略縁記
6 満願寺霊佛什物附
7 萬物始
8 道具附 安永2年閏3月14日
9 阿蘭陀之文字
10 四天寺伽濫記
11 奈良名所旧跡古歌
12 たはこの徳
13 能因法師墓之事
14 朝鮮御征伐之節清正公御自筆之写左之通檀紙也
15 いろはの歌
16 御建池所々
17 小砂利場
18 萩原八景小唄

 

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