昨日お届けいただいた高田家史料の中にあった「肥後旧藩士禄名籍」である。
保存状態が良好でなく、破れがあちこちに見受けられる。その紙片を元のページに戻してどうやら一応の体裁を整えたが、まだ行方が定まらない断片が数片ある。
新出史料かと期待したが、これは青潮社が刊行した「肥後細川家分限帳」(「肥後細川家分限帳」という名称は、青潮社が刊行にあたり独自に名付けたとされる。)と元を一にするものらしい。
この本の凡例によると「本書は中島典雄氏所蔵の旧藩・御家中知行附(明治十二年二月十八日中島亀友氏写)を底本にして翻刻しました」とある。
高田家の「肥後旧藩士禄名籍」は「明治十三年二月謹写」とあるから、底本は同じものであろう。
しかし高田家蔵のこの「肥後旧藩士禄名籍」には「肥後細川家分限帳」では見られない家臣の名前が見受けられる。中島亀友氏写本またはその原本に書き加えがなされ、それを写したものか?。そういう意味では肥後藩最後の「侍帳」ということができるかもしれない。
当サイトの「新・細川藩侍帳」にもこの初出史料を是非とも反映させたいと考えている。
破れた紙片や断片を元のように復元したいとも思うが、どのような手法が一番良いのか専門家のお知恵をお借りしなければならない。
副題に「西南の役140年、調査・研究の歩みとその成果」とある。
山江村の教育委員会にお勤めの菖蒲和弘様から14年間にわたり研究され、改訂を重ねられ86版となった最新の御著をお贈りいただいた。
何度かメールのやり取りをした程度のお付き合いだが、御心にとめていただきこのようにご恵贈給わったことに深く御礼申し上げる。
105頁に及ぶ内容であるが、80項目に分けて膨大な文献が仕分けされ紹介されている。
「さいごに」としてご家族に感謝の言葉を書かれているが、14年間一人でこれだけの成果を上げられたことはまさにご家族のご協力と、ご本人の強い意志がなければ成り立ちえないものである。
今年は西南の役が勃発して140年、来年はNHK大河ドラマ「西郷どん」が放映される。資料探しのためにこの著が利用されたともお聞きする。
「西南の役」に関する文献で、「これはご存じなかろう」と思われるような情報があれば、ご連絡を給わりたい。