津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■明和繁雑帳・會所舊記から(6)

2017-10-29 08:06:42 | 史料

 八五六
廿七
一諸木仕立方ニ付、合志郡竹迫手永平嶋村御山内ニ水足五郎兵衛殿手付御役人衆、詰所小屋被立置候事
  此儀、右役人相詰被申候ニ付ては、仕夫一日ニ壹人宛相詰、且又苗木他郡え付越被申候節、人馬之儀も御定
  之賃銀被相渡候得とも、御定之通ニては迷惑仕申候、此儀宜敷被仰付可被下候
[上ノ付札]「本行之仕夫之儀ハ、抱夫ニ相極給銀は御郡間御山銀之内より可被渡下旨ニ候間、其段可及達候、苗
      木付越人馬銀は御様筋之儀ニ付、御定之外増賃銀等被渡下儀は難叶候事」

 八五七
廿八
一阿蘇谷防中、衆徒・行者御祈祷(所欫カ)掃除夫之事
  此儀、両御祈祷所柄掃除一ヶ月三拾人宛、内牧・坂梨両手永より差出申候、年中積候ては餘計之夫方ニて御
  座候、被為叶御儀ニ御座候ハヽ、御出方を以御抱居之掃除人、衆徒・行者へ相應之人數御渡被為置被下候ハ
  ヽ、一方一廉御救ニ相成可申と奉存候、右之通ニて衆徒・行者方支不申儀ニ御座候ハヽ、宜敷様ニ被仰付被
  下度奉存候
[上ノ付札]「此儀、當年中先御試之仕法被立置候趣、別ニ及達候事」

 八五八
廿九
一大木ニ成候櫨根浚之事
  此儀、小木之内は根浚可然ニ奉存候得共、大木ニ成候上は根ニ纔計之土をかけ候ても無益之様ニ相見へ申候
[上ノ付札]「此儀、大木ニ成候分ニ、根浚ニ不及旨ニ候事」

 八五九
三十
一御仕立櫨實採方之事
  此儀、櫨方御役人壹人、其手永見■(扌偏に乄=締)之御家人・御山支配役、幷被召連候御山口居手永御山口小頭共人數立合、
  採方之見仕、止宿等之村方若雨天ニて日數懸り申候得は殊之外迷惑仕候、其上御役人採日雇之者熊本より
  數多召連、能房なり仕候木を見立採せ、在方之採夫ニは少シ成候木を引渡、採方甚多少有之、且又右熊本日
  雇ハ御用と称し宿仕候、其間之薪代も相拂不申様子ニ相聞申候、願は三手程ニ分ケ、熊本之者入込不申様、
  其村々無高者共ニ採セ申候ハヽ、十日懸り申所は三日ニも相濟、採賃をも拝領仕勝手ニ相成申候間、宜被 
  仰付被下度奉存候
[上ノ付札]「此儀、櫨方え被及御達、熊本より日雇夫は不被召仕、都て向々ニて在方のもの雇方ニ相成筈ニ候
      間、無支様取計有之候様ニ可及達旨候事」

八六〇
卅一
一櫨實御買上ケ之事
  此儀、近年御百姓共時分仕立之櫨實、高橋町櫨木臘所より先手之者共被差出、在々ニて直買被仰付候、然
  處先手之者とも御用ばり村方ニて権威ニかヽり、直段之極方且又掛目甚強仕候ニ付、御百姓共極々迷惑仕
  候、其上手先之者ニて又手先之者相交村々打廻り、御買上之乍御用下方もあやふミ申趣ニ申聞申候間、以来
  御買上不被仰付候ては難被為叶御座候ハヽ、私共へ被仰付度奉存候、左候ハヽ常々櫨木數見分仕置、買上可
  申候、尤代銀之儀は櫨方納之諸運上銀立用被仰付候ても可然哉と奉存候
[上ノ付札]「此儀、追々及吟味候處、當時は櫨方より之櫨實無之由ニ付、各別不申達候事」

                                   木蝋(もくろう)-文化財を維持する特用林産物

八六一
卅二
 櫨方より御仕立棕梠之事
  此儀、御郡二より御役人被差出、無支所々を見立、棕梠植立被仰付候、然處追々枯木ニも相成申候所、毎歳
  棕梠皮之儀請込御役人衆より定年ニ相拂セ被申候ニ付、枯木ニ相成候段申達候ても、是非拂方え申付候ニ
  付、不足分御百姓共屋舗内・畑畔又は請藪之内等ニ有之候棕梠皮を剥足シ相拂、迷惑仕候間、以來は御仕立
  木數之有皮被召上候様、被仰付度奉存候
[上ノ付札]「此儀、追々吟味有之候處、當時ニては煩敷儀無之由ニ付、其通之事ニ候事」

 

        



 

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