津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■度支彙凾(9)

2017-10-16 09:35:01 | 史料

 四五
  文化元年子八月御達
 御勝手段々取■(扌偏に乄=締)ニ相成、何方も御出方筋を詰候事ニは候へ共、是迄相済來候事ニも譯を付御入目増ニ相成、
 或ハ御作事抔之事ハヶ様ニいたし候へハ、差寄ハ御出方増候へとも年數保方宜敷却て御益等之申立ニて、御出方
 多相成候儀有之、たとへハ表向是迄塀之所垣ニいたし候ても各別差支候儀無之様之所ハ、塀を垣ニいたし候ても、
 御出方減候儀ニ候ハヽ其趣ニ取計候様、將又御國益とと申候て元銭却て御損ニ相成候様なる事等取計不申候様、凡
 て之儀右之勾配ニ相心得候様との旨候間、可被得其意候、以上

 四六
 川尻御作事所御入目之儀、去ル子年以前十ケ年御入目撫を以受込料被究置候處、猶又翌丑年少々増方を以米百七
 拾石、銭拾三貫五百目被究置、惣ての御出方筋一式右を以御操合取計有之候様及達置候處、去辰年一統御省略付
 て右受込料半高減被仰付置候、然處右半方分ニてハ半分御取賄愛相済兼候付て、追々引越渡、不時増渡等役通を以
 受取方相成候分、當時ニ至候ては一ヶ年分之御出方、右丑年被究置候受込料高よりは却て餘計之増方ニ相成、右之
 通候てハ御入目際限も無之成行、當時各別之御省略被仰繰付置候御旨趣ニも戻り候事ニ付、此節及僉議是迄引越等
 ニ相成居候分ハ惣て渡捨被仰付、當十月よりハ右丑年被究置候受込料高引戻被仰付候條、左様御心得、此砌之事
 ニ付委細丑年及達置候趣を以精々手を詰、此上御出方相増不申、一ヶ年中之御取賄相済候様可有御取計候、此段
 附属之御役人中へも夫々可有其御達候、以上
   子十月六日        御勘定方御奉行中

 四七
 御家中之面々勝手支ニ付拝領願之儀付て、去春被仰出置候趣有之候處、非常之儀とハ難申候得共連々之跡繰ニて、
 至て困窮之輩ハ其分ニても難被閣事ニ付今度御僉議被仰付、代々相續御中小姓已上願之趣ニより候てハ、御銀之
 御手當不支節々は可被為拝借候間、至て困窮之面々有願出候ハヽ親類・五人組より精々手を詰、倹約省略之仕法
 等は願主之覺悟を究、ヶ様/\ニ致候間ヶ様ニ被仰付候ハヽ三ヶ年或五ヶ年又は七ヶ年之間勝手向立行候様可仕
 候間、御銀被為拝借度段相達候ハヽ、右御用掛之御役人被差遣、逼迫之次第を糺、無餘儀相聞候ハヽ取しらへ拝
 借之可被及御沙汰候、萬一倹約等之儀達置候以後齟齬いたし候暮方等有之段相聞候ニおひてハ、越度之可被及御
 沙汰候、將又一旦御救助被下候ても成立得不申、猶又願ヶ間敷儀は決て御取上無之筈ニ候、尤非常之儀有之初發
 之しらへ狂候類は別段之事
一右之通年限を以奉願候上は、其年限中は勝手向立行之儀ニ専ら心力を潜不申候ては届兼可申事ニ付、身分移變た
 る事有之候ては積合も狂可申、且御節柄上之御難題被相成居候内之儀ニも有之、新ニ御役付等申立之内意は勿論、
 是迄御役勤懸之輩も右年限中は順選繰上等之儀も組支配頭より申立候事等は相憚可申候、年限ニ至勝手向之模様
 を被申達置其上ニては例之通可被相心得候、尤御様子有之、上より御讃談を以被仰付候事は別段ニ候事
一一代御中小姓以下は是迄之趣を以及僉議申筈候事
 右之通可申聞置旨被仰出候條、被奉得其意觸之面々えも可被知置候
  但、願出候面々仕法之儀は御用懸御役人申談候様可被達候
   文化元子十月

 四八
 旅詰之面々積合出來不申候ハヽ、於御國許御断申上候との旨趣、寶暦九年以來追々委細及達候處、右達之通無
 之儀間々有之不都合之事ニ候、以來は彌以追々及達置候趣相守、於旅詰願ヶ間敷儀無之様可被相心得候、尤非常
 之儀有之不慮ニ物入有之候節は、其程ニ應し及僉議候儀ハ別段之事ニ候、旅詰向ニて有之と申程之物入等之儀は
 兼て覺悟いたし置候儀勿論之事ニ候處、間々有之候川支又は一通り之病災等を申立、御難題ニ相成候儀有間敷事
 ニ候、向後ハ右躰願ハ決て御取上不被仰付筈ニ候得共、江戸表等出立難成或ハ御外聞ニも障候儀は其分ニも難被
 閣事ニ付筋をも可被附下候間、右之通御難題ニ相成候輩ハ追て被仰付之筋も可有之候條、着之上相慎居候様申聞
 可被置候、且又以來筋をも被附下候上ハ、御取立相済候迄大小身無差別身代相當之御扶持方計被下置、御扶持
 方迄之輩は御扶持方之内半高御取立被仰付筈候、右付て難澁之儀申出有之候とも決て御取立上不被仰付候間、兼て
 可有其覺悟候、尤非常之事有之候歟、又は其人ニより御様子有之、上之御参談を以御弛被下候儀は各別之事ニ
 候、此段觸之面々えも可被達候、以上
   十月  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■断簡の整理

2017-10-16 07:19:21 | 史料

 先にお預かりしたT家の文書だが、種々の史料の中には初出の細川家の侍帳などがあり貴重である。
10個に分けられてビニールの袋に入れられているが、その中のニ袋は断簡である。
それは種々の史料の破れた断片やしわくちゃになった小さな紙片、墨跡のまったくない行く先を確かめようもないものなど様々だ。
こちらは大きな断片の一袋分、どうやら加藤家侍帳だと思われる。
何とか元の状態に戻したいと思って仕分け作業をして、まずはアイロン掛けをしている。
過日和紙を注文、届いたら糊つくりを始めなければならない。その後和紙で裏打ちをしたり、つなぎ合わせたりの作業が待っている。
読み下しも大事な作業だが、この様な作業も又貴重な体験である。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする