津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■自筆や否や

2022-01-23 07:57:55 | 先祖附

 私はヤフオク出品の品を含めいろんな書状のコピーから、細川家当主その他の筆跡を切り抜き収集している。
筆跡鑑定家でもあるまいにご苦労な話だ。
信長が残した書状は1,100を有に超えるそうだが、自筆と思われる書状は10数通だとされる。
その基準となっているのが、松永軍の片岡城攻めに於ける細川忠興・興元兄弟のの軍功を称賛する信長自筆の書状で、これは堀秀政の添え状が付されており、まごうことなき真筆である。
永青文庫が所蔵する所であり、国の重要文化財に指定されている。
              織田信長自筆書状〈十月二日/長岡与一郎宛〉

 このようにはっきりした基準をもったものは稀であろう。多くの書状をみくらべて最大公約数の中から「自筆であろう」とする。
ヤフオクなどで高額で落札されるのを見ていると、落札者の自己判断の上の事だから横から口をはさむ筋合いはないが、お気の毒にと思ってしまう。
もっとも自筆でなく祐筆の筆であっても、資料的価値に高いものもある。
また自筆と思われるものの中に、大いなる癖字を発見するとこの上ない喜びでもある。

                                                 

右から三行目、「可申候」の下に二人の人名がある。これは「云庵一木工」とある。槙島云庵と弟・一色杢である。
「一木工」が一色杢という人物であることに気づくと、上の二文字が兄・槙島昭光の号・云庵を導き出すことが出来た。
特に「庵」という字は三斎独特のものだと思われ、「くずし字用例辞典」などをみても出てこない。
このような文字が解読できるとうれしくてしょうがないのだが、残念ながらこの文書完読には至っていない。


コメント
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