散歩コースの健軍自衛隊前の桜並木の植え替えが月初めに看板で告知された。
数日前から切り倒す木の枝払いが行われていたようだが、今日散歩に出てみると西北角の木が根元からばっさりやられていた。
そしてTVクルーが撮影の準備をしている。歩きながら数えてみると10本ほどが切り倒されるみたいだ。1/4位だろうか。
其の後伐根したうえで、新しい木が植えこまれるのだろうが、今年の開花は当然望めない。数年は残った桜を大事にしなければならない。
山崎貞士氏著の「熊本文学散歩」を読んでいる。
東籬または菊山人と号する俳人がいる。先祖は菊池家二十四将の一人と言われた宗氏だそうな。菊池氏没落後、農業や商いで菊池第一の冨家を築いた。
その27代目が宗伝次、東籬その人である。俳句を詠み、狂歌も巧みであった。
その中に「書初や先わが歳の米の文字」というのがある。知ったかぶりで書いているが、何のことはない友人から教えられたものである。
その友人の長兄がこの本の中からこの句を見付け、「88まで生きて書初めをしたい」と言っていたそうだが、残念ながらその希望はかなえられなかった。
それで友人が「俺があとを継ぐ」と言っている。「健康に注意して長生きしろ」と言っておいたが、ことし「傘」の字を予行演習で書いておけと
余計なことを言ってしまった。
「お前、俺を殺す気か」と友人が電話口で気色ばんでいる。さすがにまずいと思い「おれも『書初や先ずわが歳の傘の文字』で書いてみるよ」とお茶を濁しておいた。
「八十だから『傘』ではなく『仐』にしとけヨ」とは機嫌を直した友の言葉である。