エリザベス女王の国葬、最初NHKニュースで眺めていたが、とぎれとぎれになるのでインターネットでBBC放送の画面で一部始終を放送時間(9:00終了)いっぱいを観る。
イギリスの伝統に裏打ちされたこれぞ「国葬」、安倍さんの国葬はまずい時期にかさなってしまい、どうしても比較されることになるだろう。
聖歌がながれる荘厳なゴシック建築のウエストミンスター寺院の見事な空間、またその後の砲車に乗せられた棺を守る葬列の壮大な列と音楽、附き随う緩やかな歩みの長い列、イギリス連邦各地から参列した人々の華やかな衣装、木々の緑ゆたかなバッキンガム宮殿からウィリントンアーチまで砲車の跡に歩んで続く新国王と家族たち、伝統と格式に裏打ちされた見事なものだった。
その後映像は途切れたが、霊柩車に乗せられウインザー城に運ばれ教会の墓地に夫君に並んで埋葬されたという。
天皇をはじめとする各国の国王や大統領などが映し出されることも一切ない。たんたんと荘厳な儀式の模様が放送される。
そして、これを見送る幾重にも重なる沿道の人々の数、愛されたエリザベス女王を見送った。
私たちはかって昭和天皇の大喪の礼を拝見しているが、いかにも日本の国らしい素朴なたたずまいや、長い歴史を伺わせる荘厳な儀式であったことを思い出している。
形こそ違え、国民がこぞって弔意をひょうした。
今回のエリザベス女王の葬儀は、国葬とはどういう物なのかを知らしめた。
国民の絶大な賛同が得られぬ安倍氏の国葬は、大いなる禍根を残すかもしれない。
せめて国会の決議を経るという手続きは必要ではなかったのか。手遅れとなった今、後味悪くその日を迎えようとしている。