細川刑部家・嫡家11代興増(おきなが)が、細川宗家14代・護久の弟、津軽藩主・津軽承昭に宛てた書状である。
だとすると、この手紙に添えられた封筒は「何なの」という疑問が沸く。実はこのオークションでは、熊本市長・高橋守雄が細川興増に宛てた書状も一緒に出品されており、そちらの封筒が紛れ込んでいることが判る。
いずれにしても、細川興増に係る書簡だが、私は津軽承昭にあてたこの書状に興味を持った。
三角でとれた鯛を贈った処、早速御賞味いただいた上、「駱駝(らくだ)の襟巻や御羽織、御菓子」などを贈られ、かえって恐縮している様子が伺える。
血のつながりからすると、両家は細川忠興迄遡らなければならないように思えるが、細川宗家・宇土細川家・内膳家・刑部家の絆は連綿と途切れることはなかった。